Always Be My チョタチョタ Baby!

「チョタ(chhota)」ってというのは、ヒンディー語で「小さい」の意味らしい。

インドの人たちは、我が娘のことを、たぶん親しみを込めてチョタチョタベイビーと呼ぶ(ただ、バカにしてるのかな?と感じることもたまにある)。

娘の出生時の体重は2500グラムちょい。なので、ギリギリ低体重児ではないんだけど、娘が生まれてしばらくは、本当に小さくて小さくて正直かなり心配だった。おれはこれまで、(妹など自分も子どもだった頃に見た赤ちゃんを除いて)生まれたての赤ちゃんを間近で見たことがなかったから、新生児のサイズ感が全然わからなかった。ただ、出生時の体重に関して、おれが3500グラムで妻が3900グラムだと聞いてたから、それと比べてだいぶ小さいから余計に心配になったんだと思う。

更に、新生児の生理的体重減少で体重が減って、その後も吸う力が弱いらしく、なかなか体重が増えず、この子は大きくなるのかと、心配は増すばかりだった。母乳にミルクも足すようにして、ようやく体重が増え始めた。少しは安心できるようになったけど、それでも生後2ヶ月の頃は発育曲線の下の方にいた。

その頃は、病院の待合室で会った人に、「超ちっちゃい(So tiny)」とか言われてなんか嫌な気持ちになることもあった。ただ、「チョタチョタベイビー」とか言ってものすごい笑顔で話かけてくる人たちを見ると、たぶん小さいというのは、かわいい、という意味が強くて悪い意味で言ってるわけじゃないんだろうな、などと思っていた。それに、なんとなくチョタチョタベイビーの響きは好きだった。

この頃は健診に行くと、小児科のドクターの決まり文句は、

「Enjoy your little one.(意訳:小さい赤ちゃんを楽しんで)。」

だった。

ドクターの言葉どおり、心配しながらも、小さい娘との生活を楽しんだ。生後3ヶ月頃からは、母乳もミルクも飲みが良い日もあれば悪い日もあったし、ミルクを嫌がる日もあった(←これ、フルタイム父がマジで役立たずになるやつ)。ただ、なんだかんだで身体は大きくなっていった。

そして、ある日の健診を終えて、

ドクター「それじゃ、また1ヶ月に。お元気で(Take care)。」

(あれ、”Enjoy your little one”は?)

たしかに、その日に測った体重を母子手帳の発育曲線に書き込むと、すでに真ん中らへんになっていた。

そして、次の健診でも、ドクターはEnjoy your little one.とは言わなかった。その日の体重を書き込むと、

「えっ、デカっ。」

生まれたときは成長曲線の下線ギリギリ、一時は下線からはみ出していた娘の体重は、真ん中よりもだいぶ上の方になっていた(と言っても、5ヶ月で8キロなので特別大きいわけではない。でも、最初が小さかったからだいぶ大きくなったと感じた)。

それでもまだ、道で声をかけてくる人たちや初めて会う人からは、チョタチョタベイビーとかスモールベイビーと呼ばれることが多かった。

しかし、娘がもっと小さいサイズだったことを知ってる上の階の(ユードンライクパパ音頭の)おばちゃんが訪ねてきて、2週間ぶりに娘を抱っこしたときに言った。

「ハロー、ビッグベイビー」

(えっ、ビッグベイビーに変わっている、笑)

どうやら、娘がチョタチョタベイビーから卒業する日はそう遠くないだろう。そして、きっとあっという間に赤ちゃんからも卒業するんだろう。そんなこと思うと、娘がどんどん成長するのがすごく嬉しいのに、小さい娘をもう見られなくなるのは、ちょっとちょっと寂しい気持ちにもなる。この数ヶ月で、子育ては、きっとそんな嬉しさと寂しさの繰り返しなのかもしれないなぁ、なんてことを思った。

と言いつつも、やっぱり、どう考えても寂しさよりも嬉しさの方が大きい。だから、娘よ、この調子で元気に大きくなってくれ。そうすると、きっと、あと数ヶ月したら、チョタチョタベイビーという言葉も聞けなくなるだろう。だけど、それでいいんだ。

だって、どんなに大きくなったって、おれにとっては、You will always be my チョタチョタベイビー. 

いいなと思ったら応援しよう!