子ども好きのインド人
4ヶ月インドで子育てしてみて、なんとなくインドっぽいかな、と思ったことを書く。
とりあえず、インド人は子ども好きが多いと思う。外国人で見た目も珍しいからか、娘を連れて近くの公園など散歩してると結構な頻度で声をかけられる。声はかけて来なくても、微笑みながら娘を見てくれる人もいる。今までに何度かあったのは「この子は何歳(か月)か?」という質問をしてくる人。高齢の夫婦もいれば若い人もいた。たぶん、質問自体にはそんなに意味はないが、なんとなく会話がはじまる。そして、「超かわいい(So cute)」とか言ってくれるのである。そういうのは、嫌な気持ちにはならない(いきなり触ってきたおばさんは嫌だったけど)。
それから3,4歳くらいの女の子が「赤ちゃんの名前は?」と聞いてきたこともあった。このとき、最初はすれ違いざまにヒンディー語で聞いてきたので、話しかけられていると気付かず素通りしてしまったんだが、その後こちらに近寄って今度はキレイなインド英語で聞いてきた。おれが娘の名前を言うと、「は?」みたいな感じで、何度か繰り返しても、わからないで行ってしまった。はじめて外国の名前を聞いたのかもしれない。その子の母親が聞き慣れない名前だね、という感じで微笑んでいた。そのまま会話が終了したので、おれもこの子の名前を聞いてあげれば良かったなぁ、と思った。自分の娘のことばかりに気をとられていると、つい余裕がなくなってしまう(そりゃ娘に集中するのは当然なんだけど、もう少し周りが見えるようになると新たな発見や会話があって娘のためにも良いかもしれない)。しかし、こんな小さい子でもヒンディー語と英語を使い分けるというのはおもしろい。英語ミディアムの保育園に行ってるのだろうか。
こんな感じで、インド人の多くは大人から小さい子どもまで、子どもが好きだし、みんな子ども慣れしてる。前回の話で紹介したように、インドでは毎年ものすごい数の子どもが生まれている。だから、自分の子どもがいなくても兄弟姉妹、親戚、近所に必ず子どもがいるし、みんなでかわいがっているんだと思う。そして、やっぱりインドには、人は結婚するのが当然だし、結婚すれば子どもを授かるのが当然という、そういう価値観は根強く残っていると思う。だから、赤ちゃんや小さい子どもは、若者にとっては当然来たる近い将来を想像させたり、年配の人にとっては、自分の子や孫を思い出させたりで、おそらく子どもが近くにいることが、全然苦じゃないんだと思う(というか、子どもが多すぎて気にしないというのもあると思うけど)。
あと、日本の感覚だと、やっぱり自分の子どもが泣いてると、うるさくてすみませんね、と言いたくなるんじゃないかと思う。それが良いのか悪いのかわからないけど、娘が泣いてるときに、すみません、と言ったら、”Not at all”の嵐だったこともある(さすがにこれは人によるだろうけど)。これは親としてありがたいと思った。
結婚して子どもをもつことを当然とするインドの伝統的な価値観は、人によっては相当窮屈だと思うし、実際インドの友人でもこれで苦しんでるいる人もいる。ただ、一時的にインドに滞在する外国人としては、子どもが生まれた今は、この価値観によって受ける恩恵の方が大きい気がする。
とりあえず4ヶ月過ぎの時点で感じたこと。そのうちまた何かあれば書こうと思う。