トゲル / Hiro Iwasawa
草花、花木、果樹、野菜等の育種家が、品種改良の苦労や挑戦の様子、新品種の特徴と反響、育種の醍醐味などについて、自らが語る品種開発の体験
厳しい残暑が続いた9月も過ぎ、やっと秋らしくなってきましたが、皆さんお変わりなくお過ごしでしょうか。 今回紹介する育種家は、宮崎でビオラ・パンジー等の草花を育種する川越ROKA(本名は路可)さんです。川越さんは、障害者が利用する支援施設の職員として、利用者と栽培した苗の販売収益を高めようと育種を始められましたが、経営母体が変更になって施設での苗づくりが行われなくなってからは、販売目的でない育種を一人で続けて来られました。そのため、川越さんは自らを「趣味の育種家」と
(カバー写真は仙波さんと共同開発したプリムラ・マラコイデス 3品種) 皆さ~ん、こんにちは~。7月以来2か月ぶりの投稿となってしまいました。今年は8月を過ぎても、耐えられないようなひどい暑さでした。お盆が過ぎ、少しは落ち着いてきた感もありますが、皆さんはお元気でしょうか。 今回は、種苗会社で40年花の育種を経験し、退職後に経営を改善しようとする農家をパートナーとしてサポートし、共同して育種開発を行っている佐藤和規さんに話をお聞きしました。 佐藤さんの取組みは
話し手 鈴木登 (カバー写真は、葛飾区東立石にあった鈴木さんの牛乳配達店) ❒解放され、引揚げ船信濃丸に乗船 そこでの生活が1年程経ったとき、誰かが新聞にオーストリアの捕虜が解放されたという記事を見て、皆に知らせてくれたんですよ。ロシアではけっこう読まれているウズベスチャという一般紙に出たんですね。それなら、我々日本人も、そのうち解放されるんじゃないかと話しあいました。 その期待は当たったんですね。それからわずかのうちに、私たちは貨物列車
話し手 鈴木 登さん ❒ロシアの侵攻を無線で知り南への逃走を開始 終戦の年、昭和20年の夏でしたね。ロシアが攻めてくるのも、前の日にわかったんですよ。「ポツダム宣言第何条により、戦争を開始する」っていう電報が出ましたからね。ロシアの国境に日本軍はいなかったでしょ。だから軍の司令部は、後退するしかなかったんですね。我々だって、軍の司令部に情報を送る情報部隊ですから、軍にくっついて歩かなくちゃいけないわけですよ。 ハイラルにいた時、先輩から紹介してもらった朝
話し手 鈴木 登さん (カバー写真はハイラルでロシア軍の無線傍受をしていた鈴木さん) 《鈴木 登さんプロフィル》 大正12年生まれ、福島県郡山市守山町出身 16歳で上京し、中野高等無線に入学。参謀本部の通信士試験に合格。 昭和16年18歳で満州に渡り、ロシア国境に近いハイラルでロシア軍の無線傍受の任務に就く。 昭和20年の夏、満州に侵攻したロシア軍の捕虜となる。ハバロフスク近郊の収容所で、木の伐採、干し草作り、レンガ作り等の作業に従事。同僚からス
こんにちは~。トゲルでーす。 お茶を育種する水野さんの記事の記事のその2です。2~3日後に投稿しよう思っていましたが、今日投稿したその1は考えていた以上に読んでくれた方が多く、後の記事を楽しみにしているとのコメントもいただいたので、昨日に続いて投稿することにしました。 今回のその2は、いよいよ「やぶきた」の後継品種を作ろうと育種を開始したところから話が始まります。長い記事ではありますが、ぜひ最後までお読みくださいますよう、お願いいたします。 その24月に適採でき、甘味
皆さん、トゲルです。前月は投稿できなかったので、少し時間が開いてしまいましたが、お元気でしたか~。 昨年の3月1日に初めてブドウやナシを育種された芦川さんの記事を出してから1年が過ぎました。これまで22人の育種体験記事を投稿し、4月初めまでに1万人を超えるビュー、千人を超えるスキをもらうことができました。 振り返れば、情熱をもって新品種育成の夢に向かって努力する育成者を励まし、多くの皆さんにその姿を知ってもらおうと始めた投稿ですが、普通の人にはほどんど馴染みのない育
皆さん、こんにちは~。お変わりなく、お元気でお過ごしでしょうか。 新年も早いもので、もう2月中旬となり、東京でも春一番が吹きました。1年で最も寒い月ですが、春は着実に近づいています。乾燥していますので、風邪などにかからぬように、お互いに注意していきましょう。 さて、私トゲルは、これまで21人の植物の新品種を生み出す育種家の体験記事を書いてきました。花や果物の新品種に取り組む個人育種家(主に農家)を、多く取り上げてきました。穀物、野菜等は、県などの試験場や種苗会社
皆さん、こんにちは~!! 今年初めてのnoteの投稿になりますが、今年は辰年、私は年男で張り切っています。昨年3月からnoteへの投稿を始めて2年目となる本年も、何とぞよろしくお願いいたします。 今回紹介する育種家は、大都会横浜の隣の地域で、ブドウ、ナシ、栗、柿、イチジク等を生産し、直売している藤沢市の青木義久さんです。青木さんは89歳になられますが、育種体験記事を書かせてほしいとの私の頼みを心良く引き受けてくださり、跡継ぎとなられた孫の拓磨さんとともに、記事の作成に
皆さん、こんにちは~ 徐々に寒くなってきましたが、東京でも最高気温が20度近くまで上がる日もあり、寒暖の差が激しくなっています。新年を迎える前に、お互いに風邪などをひかないように注意したいものです。 前回は、私が名前を変更して1回目の投稿記事で育種体験記事を休み、リング名改名五に世界王者となったボクシングのガッツ石松の話を紹介しました。今回からは、フタタ母育種家の体験記事に戻ります。他の植物より比較的多い花の育種家の記事を多く取り上げてきたので、花以外の育種家を紹介
皆さん、こんにちは~。 植物の育種家の体験記事を紹介しているトゲル/ Hiro Iwasawaです。「え?そんな名前だった」と思われた皆さん。私の記事を読んでくれている方ですね。ありがとうございます。はい。3月1日からnoteに投稿を始めた私ですが、今回の投稿から「トゲル/ Hiro Iwasawa」の名前を使わせてもらうことにしました。 投稿を始めて9か月、私の記事を読んでくれた皆さんのおかげで、これまでにビューを4,950、スキを600をいただくことができ
こんにちは~。 夏の暑さを引きずって秋に入っても暑い日が続きましたが、やっと秋を感じられるようになってきたなと感じますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。夏に集中豪雨にあった地域もあるのに、西日本の各地では水不足が心配されていると聞いて心配しています。 今回は、福岡県に住む小林泰生さんの体験です。育種家は、だれもがこれまでにない特徴ある品種を作り出すというリスクのある作業に挑戦しているのですが、小林さんはどの育種家も経験していない先の見えない育種に挑戦されてきました。
私の記事の前で足を止めてくれた皆さん、こんにちわー!ありがとうございます。 今回は、多くの皆さんが庭やプランター等で育てているパンジーやビオラの新品種を作られている育種家を紹介します。 パンジー・ビオラはかわいい花ですが、育種するのが難しい花なんです。多くの花は同じ花の雄しべの花粉がめしべについて受粉しますが、パンジー・ビオラは別の花の花粉でないと受粉できない(他植性)の花なんです。 袋入りの花の種を蒔くとどれも同じ花が咲きますよね。このように「品種」では、ど
こんにちわー。今回は、7月以来の久しぶりの投稿となってしまいました。9月になっても暑さが下がらない日が続いていますが、皆さんはお元気ですか。台風や集中豪雨等で、被害を受けた皆さん、大変でしたが一刻も早い回復をお祈りしています。 今回の育種体験の語り手は、三重県津市の赤塚植物園で長らく育種をしてこられた倉林雪夫さんです。これまでは、主に農家などの個人育種家の方々に体験を語っていただきましたが、初めて種苗会社で育種を担当する職員に登場してもらうことにしました。赤塚植物園は、そ
こんにちわー 一昨日東海地方から西側の梅雨が明け、今日は関東も梅雨明けになりそうです。今年は、梅雨明け前から各地で私達の体温と同じような暑さが続いています。これからどうなるのかと思いますが、お互いに熱中症にならないよう気をつけていきましょう。 九州北部、島根県、北陸、秋田県の皆さん、豪雨の被害は大丈夫でしたか。被害に遭われた方には、心からお見舞いを申し上げます。 育種家の体験も今回で16人目となります。一人目芦川さんの体験を3月初めに投稿してから、読んでくださる皆
皆さん、こんにちわ~ 私が書いている育種家の育種体験記も、今回が15人目となります。私が編集委員をしている全国新品種育成者の会は、毎年新時代に向けた優れた品種の開発と普及に努めている個人育成の表彰を行っていますが、2021年度に育種賞を受賞されたのが、今回話し手をしてくれた岩手県奥州市の高野卓郎(たかお)さんです。高野さんは、残念ながら今年御病気のため82歳で亡くなられました。心よりご冥福をお祈りしたいと思います。高野さんの功績は、育種の功績はもちろんですが、多くの技術等