ハルカミライ 日本武道館単独公演
ハルカミライ、初の日本武道館単独公演。
その一部始終を目に焼き付けてきた。
一昨年の京都大作戦。
友達が大好きなバンドがハルカミライだった。その時僕が知っていた歌は、代表曲の「世界を終わらせて」だけだった。
パンチ効いた見た目の4人組はどデカいステージに屈しない熱量で音を奏でてた。
「橋本 学」という男の真っ直ぐであまりにも優しい歌声に一瞬で虜になった。
そして僕は
と歌い出した彼らに泣かされてしまった。
ハルカミライとの出会いは、それが初めてだった。
会場に向かう途中の電車。
友達との待ち合わせに少し早く着いた僕は、イヤホンから彼らの歌を流す。
九段下駅の改札には、グッズをを持った人やTシャツを着た人がいた。
友達と合流して、駅から会場に向かうまでの緩い坂道。
1つのバンドに魅せられた人たちが、日本武道館に集まるこの雰囲気がたまらなく好きだった。
座席は1回席1番後ろの方。
ここ最近僕は、これといって楽しいと思う事が見つけられなかった。
退屈な日々をあまりにも飼い慣らしていた。
だからすごくドキドキしていた。あぁ、どうなってしまうんだろうか。もし、ライブまで楽しくないと思ってしまったら。
そんな不安は一瞬で掻き消された。
あまりにも胸に真っ直ぐ響く学くんの歌声。
あぁ、来てよかったとすぐに思った。
そこからの時間は、一瞬だった。全部で38曲も歌ってくれた。
あまりにもめちゃくちゃで不器用なラブソング
この2曲が続けてきた時、また誰か好きになって、周りが見えなくなるほど夢中になって夜眠れない程思ってしまうくらい誰かを愛してみたいと思えた。
「かっこよくねぇ、モテなさそうな男が沢山いるように見えるけど、不器用でも真っ直ぐな方がカッコいいからよ」
って学くんが言ってたから間違いないね。
「すげぇバンドですね。って言われたら、そんな事ないですたまたまです。って言うんだけどよ。そんな事心の中では思ってなくて。」
「一緒にいる時間が長いとさ、口数も少なくなったりするけどよ。たまにはクサいことも言い合って。そんな時に「この歌、いい歌だから聞いてよ。俺たちみたいで」って、音楽を使って伝えてもいいと思うんだよ」
赤青緑で白いうた
3限色を光として捉えているこの歌を、日本武道館で4人が歌ってる姿に泣いてしまった。
ずっと聞きたかったベターハーフ。イントロが鳴った時、涙が止まらなかった。
冬の朝、少し肌寒い日に力をくれる歌。
まだまだ沢山書きたかったけど。
このバンドはやっぱり誰も置いていかないなって思った。日の丸の下が似合う、暑苦しくて優しいバンド。
いつだって自分達の歌を誇りに思っていて、自信に満ち溢れているそんなバンド。
朝、空港に向かう電車の中。イヤホンからはベターハーフ。
僕はもう1度このバンドに会うために、少し頑張る事にする。
音楽はまだ、僕に力をくれる。