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300日後に校務分掌ICT主任を引き継がせたいアラフィフおじさんの引き継ぎ書の下書き 10 校内規程作り

「ルール」をどう設定するのか、これもICT担当の腕次第、センス次第の仕事だ。

上位規程に従う。
当たり前だが、上位規程を読み込んで、正しく解釈しておく。
それに基づいて、下位規定を書ていく。
上位規程のこの条文が、下位規定のここにリンクされているように書く。
なので、脈絡のない「〇〇規程」というのは作れないし、上位規程と矛盾するわけにもいかない。
つまり、思い付きで考えない、ということなのだ。

ありがちだが、タブレット端末の利用規定を管理職から作るように言われ、書いたはいいが、「〇〇禁止」が並び、ガッチガチの狭いことしかできないようなルールになってしまう。
上位規程には、そうは書いていないのだが、担当者が忖度するのか、「〇〇禁止」を並べてしまうのだ。

そうではない。
まずは、この規程でもって、何を達成することが目的なのかを明示し、そのために必要なルールを定めるのだと宣言することだ。
「タブレット端末の利用規程」であれば、
タブレット端末を活用して効果的な学習を行い、情報活用能力を身につけ、社会に生きる力を高めていく、ということが達成したい目標として掲げることだ。そのために、校内ではこうしますよ、というルールに落とし込む。
それに対して、まずは、上位規程から、「やっちゃダメ」と書かれていることについて、校内ではどう当てはまるのかを明確にする。
無断で他人の写真を撮らないとか、他の生徒のアカウント・パスワードを使わないとか、いかがわしいサイトを見ない、と言ったことを、校内向けに書き直す。

それから、「このようにしてください」というルールを示す。例えば、Wi-Fiはこのようにつないでください、とか、アカウントはこう管理してください、と言ったものだ。これは、そのようにしないと使えないとか、不具合があるから、といったローカルな問題に対応している。上位規程には書かれていないが、この学校で使うにあたっては、最低限このようにしてください、ということになる。

「禁止事項」と「遵守事項」は、拘束力がある規定となる。
これに関しては、「守りなさい」というルールであり、それが守られない場合は、罰則が伴うこともある。利用を制限されるとか、指導を受ける、と言ったことだ。
基本は、これだけでいい。
操作手順は「マニュアル」にして示すべきであり、拘束力を持たせない。

ありがちなのは、「休み時間の利用について」という規定を設け、「先生の許可なく使ってはならない」とか「動画の視聴は認めない」といったことを書いてしまうかと思う。
その文言で規定とするなら、なぜそうするのかを明記するべきだ。(必要な場合は、そのルールに至った経緯を補足として書いておく)
ただし、倫理的、社会的に照らし合わせ、それが妥当なのかは考慮する必要がある。そして、その文言は、冒頭に示した目的達成に合致するものなのか、吟味しなければならない。
休み時間に動画の視聴を禁止することが、情報活用能力の育成になるのかと言ったら、どうなのだろうか。
休み時間の動画視聴禁止って、罰則になっていないだろうか。
禁止すべきことは、なるべく最小限にとどめ、がんじがらめにしないことが肝要だと考えている。

その他、書いていないことは自由に考え、工夫して活用してね、でよい。
「ダメ」って言われていないことは、やってみたらいいだろう。
とかく、学校の先生は、「禁止」でコントロールしようとするのがお好きなようで。

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