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無料記事vol.3 『「ムード」について。データは合っていても見た目が違ったら合っていない。』

ゴキンジョコミュニティ(http://qr.paps.jp/hLKv2) 内で、
週2回更新している『 絵について 』『 仕事について 』の記事を
note / 定期購読マガジン【 絵について表現について。】で掲載しています。

その中から、いくつか無料の記事を公開しております。
どんなことを書いているのか、を見ていただける機会になればと思います。
読んでみていただけたら幸いです。

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絵について

「ムード」について。データは合っていても見た目が違ったら合っていない。

( 2022・12・8 掲載 定期購読マガジン【 絵について表現について。】より)

「欧米」って括り方が範囲広すぎるのは知ってるんだけど他の言い方がわからないヒロです(欧米では〜)(どこのこと)


具体的な技術論を語るのも大事なんだけど、抽象的な印象論もとても大事だと思っています。

映像を作る仕事の中でよくある話なんですが、「データ的には間違ってない」としても「見た目の印象が違う」とデータ的には間違っていないとしてもそれは間違いになります。

つまり、作り方が同じでも出来上がりの印象が違ったらそれは別物だと認識されます。

それくらい「印象」って大事で、じゃあ絵でいう印象ってどういうこと?っていうようなお話です。


▼  「ムード」は身体構造、地球環境で認識合意が取れる


「印象」って、「ムード」という言葉にできるんじゃないかと思っていて、映像の仕事をしていると絵的なムードがとても大事です。

例えば以下のような画像があります。


この二つの画像を見た時にどちらが「いわゆるホラー的な怖い感じ」がしますか?


僕にとっては上の絵なのですが、どうですかね。理論上では上の絵になる人が多いと思います。これは僕らが住む地球環境と人体構造に基づいていて。


上の絵は下の絵より寒色で暗いです。例えば「いわゆるホラー的な怖さ」ってモンスターとか幽霊とか、「得体の知れない何か」に対する恐怖を感じるということだと思います。夜は太陽の直射光があたらなくなるので、人間にとっては「暗い世界」というのは何が襲ってくるかわからないので、危機感、恐怖を常に感じながら過ごすことになります。

だから明度的に「暗い」というのは人間にとっては「恐怖」に結びつきやすいです。これが例えば夜行性の生物からしたら夜は活動時間なので恐怖は感じないはずです。

「寒色」も大きく印象に作用しています。理屈的には色々つけられますが、例えば、寒い=太陽が出ていない。寒いので気温が低い=生物がいない。光が弱いと人間の目は青っぽい色と判断する傾向があるなど、結果に基づいて色々な理由は考えられますが、自分の実感として寒色の方が静かで気持ちが下がるムード印象があります。


こういった理由から僕ら人間の「身体構造」と太陽による朝夜などの「地球環境」によって、多くの人にとっては視覚的に感じるものというのは「傾向」があるということです。


カラースクリプトやコンセプトアートでこういった「ライティングによるムード」をコントロールすることによって「視聴者の映像体験を導く」のが僕の主な仕事です。

人によって導き方は違いますしそれが作風みたいなものにつながっています。


▼  「感じ」は文化的、環境的、身体的、感覚の同意


「感じ」を共有できているといわゆる「話が通じやすい」ということになるんだと思います。

ムード、印象をもっとより一般的な言葉にすると「感じ」です。「やさしそうな感じ」「こわそうな感じ」とか、そういった印象を人は感じながら生きています。

具体的なデータ、技術のことはわからなくても、絵、画像を見て「感じる」ことはできます。


「感じる印象が近い」=「感覚が近い」とも言い換えられて、感覚が近いと使う言葉の意味が近くなるのでコミュニケーションもよりスムーズになります。なのでチームとしてはそういった「感じ」を理解して「言語を合わせていく」のがとても大事です。


「感じ」は文化環境身体的要因などで人によって変わります。感じ方は人によって似ていることはあれどまったく同じことはないはずです。だからすり合わせていくことがとても大事で。


最初から似た感覚を持っている人はいると思います。でもそういう人が自分の近くにいて、さらに同じような趣味を持ったり仕事をしていたりする確率はとても低いはずです。

なので多くの場合は相手や自分が「合わせようとして」コミュニケーションがスムーズにいきます。


「歩み寄る」とはそういう意味も含まれているんだと思います。


絵を人に見てもらいたい、評価してもらいたいというのは「自分側の都合」なので、それがたまたま多くの人の感覚に近くて多くの人に見てもらうなんてことは、まあ起きません。自分の都合なので。

もし多くの人に見てもらいたい場合は「見る人の都合」を考えつつ、自分のやりたいことも実現できるような、そういった「円の重なり」を見つけていくことが大事になるんだと思います。


具体的な技術のことは、絵や映像を生業にしていない多くの人にとってはわかりませんが、それを見て何かを感じるのは誰にとっても出来うることなので(感じないことも出来うる)、僕は作品の「印象」の方を重要視していて、それは隠しきれない「作者の内面」ともつながってもいるので、ムード、印象、感じというのはとても大事だと思っています。


ペイントクラスの申し込みが始まって、さっそくみなさんから申し込みいただいてます。とてもありがたいし、以前からお世話になってる方々には特に良いことがあってほしいので、僕が持ってるものをお渡しできるようにやっていきます。
クラスでは渡せてなかったら渡せてないって伝えて欲しいし、クラス内の範囲で欲しいものがあれば欲しいと言ってもらえたらと思います。

そういったこと、ちゃんと渡せるかも含めて怖い気持ちがありますががんばりますので、ご興味ある方は何卒よろしくお願いいたします。


( ※2022・12・8 に掲載された記事です。 第1回ペイントクラスは終了しております)
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