見出し画像

無料記事vol.7 『 「思い込み」が強いものには記号を描いた方が鑑賞者にわかりやすい 』

ゴキンジョコミュニティ(http://qr.paps.jp/hLKv2) 内で、
週2回更新している『 絵について 』『 仕事について 』の記事を
note / 定期購読マガジン【 絵について表現について。】で掲載しています。

その中から、いくつか無料の記事を公開しております。
どんなことを書いているのか、を見ていただける機会になればと思います。
読んでみていただけたら幸いです。

=====================================

絵について

「思い込み」が強いものには記号を描いた方が
鑑賞者にわかりやすい

( 2023・3・16 掲載 定期購読マガジン【 絵について表現について。】より)

暖かくなってきたけどまだ寒いしジャケットどうしたらいいの?ヒロです(寒いからダウン着たらあつい)


絵を描く、表現する側にとって「概念」と「事実」の違いを知ることはとても重要だと考えています。概念というのは「思い込み」とも言えるかもしれません。でも「思い込んでる」ということはそれはその人にとっての「真実」になります。


絵や何かしらの表現にとって概念と事実について考えるのはとても大事なので、絵の具体例で僕が知っているものを共有します。

けっこうわかりづらいかもですが大事なことなので。


▼思い込みはその人の真実だけど「事実」ではない

白目は白色ではありません。白目の周りの色と比較した時に「白く見える」。

だけどこの「見える」というのが大事で、そう見えるということは人は白目のことを「白色」だと「思い込んでいる」んだと思います。

例えばこういった絵があったとして、

前述を読んだ上でこの絵を見るとわかりやすいかと思いますが、白目部分は白色では無い。でも白だと「認識」することは可能です。白に見える。「白目」という名称が余計に白色という思い込みを強くすり込ませます。


でも描く時に思い込みで白色を置くと、この絵は描けないです。白色ではないから。

なので「事実」を描くことが大事になります。事実というのは言い換えると「見たまま」という言葉になります。僕が言う「見たまま」というのは「思い込み無しで”見たまま”」という意味です。


「客観」という言葉にもできます。100%の客観は無理ですがそれに近づけることはできます。で、技術が高い人ほど客観の数値が高くなっていって「事実ベース」で絶対的なものについて話をするのでひとつの正解に近づいていきます。話が通じやすくなる。

なので「人による」ということは「事実ベースで話をした時」には発生しないです。


じゃあ事実をどうやって獲得するかというと、「比較」で炙り出していくんだと思います。炙り出すという言い方をするのは、一瞬で判断することができない感覚が僕にはあるからです。「にじり寄る」という言い方もできます。


人は誰でも主観を持っていて、主観は人によって違います。それは言い換えると、人によって、思い込みによって「その人による真実」として世界を見ている。それは絵を描く時も同じで、例えば人によって色の判断が変わる。

では何が変わらないかといえば「この色はここの色より明るい、暗い。または暖かい、冷たい」という「比較」は変わりません。比較をすることで事実が炙り出されていく。この炙り出しの訓練を僕はスケッチを通してやっています。

(この話ってかなりややこしいのでこういう場でしかあまり話しません。わからない人も多いと思います。実際どうですかね?わかります?)


▼「多くの人の思い込み」は「事実」として「みなす」方が「都合が良い」ことがある

ただ厄介なのは「事実とは違ったとしても」「多くの人が思い込んでいる」場合があります。それの代表的な例が白目なのですが。

人は思い込むと「そう見える」んです。すごいですよね。事実が曲がるんです。それは良い悪いでは無くて「そういうもの」です。多くの人にとって白目は白色なんです。


なので「記号表現」に近づくほど白目は白色にした方が「自然に受け取られやすい」です!めちゃくちゃおもしろくないですか!?(おもしろいの強要)。僕はこのことにすごく興奮します。

僕は「記号表現」とは「主観の表現」だと思っています。

主観の表現というのは、事実ではなく人々の認識をベースにした表現のことで、この世界の事実とはまったく別のものです。日本だと「漫画表現」という方が通じやすいかもしれません。なので漫画的な表現(線での表現)においては白目は白色に近づけるほど鑑賞者にとっては「自然に」受け取られるはずです。記号なので。


この「事実」と「人の思い込み」の使い分けをすることで、人に伝わりやすい表現をすることが可能になります。


おもしろいのは、この世界の事実はひとつですが、思い込みは人の数だけあります。コンピューターによって事実の表現(AI)がしやすくなる世界線において、人間の思い込み表現の価値は高まるはずです。それを僕は「作者の視点」という言葉にしているのですが、作者の視点がこれからより大事になるはず。


それを獲得するためにも、この世界の「事実」と人の「思い込み」をわけて考えられるようになることは、表現する側にとってはとても大事なことなんだと思います。


今回は白目を例にお話してみました。 難しいお話かもしれないですが、大事なことなので少しでも伝わるといいなと思います。


多くの人の思い込みがあるから、少数派の人にとっての生きづらさにつながっていきます。この世界の事実と思い込みの部分をより多くの人が判断できるようになることが、「多様性を認める」ことに繋がっていくんじゃないかと考えています。

なので「表現」の概念を広めていくことが、この世界を良くしていくことになるような気がしています。 ゴキンジョがそういうことに関われたら、ずっと残る良いものをこの世界に遺すことに繋がるんじゃないかなと思っています。



=====================================
他の無料記事はこちらからどうぞ ▼

=====================================

週2回更新している『 絵について 』『 仕事について 』の記事は
note  
pixivFANBOX
STORES

上記3箇所からご購入先を選んでいただけます。(内容は全て同じです)
価格やご自身の使いやすさなどに合わせて選んでいただけたらと思います。

◯ noteでのご購読はこちらからどうぞ ▼

STORES にてご購入いただいた場合は、
 ゴキンジョコミュニティ内でのご購読となります。
  note / pixivFANBOX よりも、少し早く記事を読んでいただけたり、
 第1回目の記事まで遡って読んでいただけます。
 感想や意見交換・情報共有等の場でもある、ご購読者さん限定掲示板
 ご利用可能ですので、おすすめです。

ゴキンジョコミュニティへのご登録が必要です。)
(noteやfanboxにてご購読の方でも、ゴキンジョコミュニティにご登録後、
 申請していただければ、コミュニティ内の掲示板をご利用いただけます。)

=====================================
GOKINJYO / ゴキンジョ
・Twitter / Hiro 

・Youtube / Hiro

・Twitter / ゴキンジョ公式

・ ゴキンジョポートフォリオサイト


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?