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精霊の舎-14(連続短編小説)

夢のマギを見たマギは、
とても驚いた。

「夢の中の私は、死んでしまったの?」

そう言って、自分と同じ姿の者に
触れてみる。

「・・・温かいわ。眠っているの?」

「気を失っているんだ。君と同じ人生を
歩んでもよさそうなものなのに、
どうして彼女は、こんなにも
苦しんでいるんだろう」

そう言ったホンナを、
マギは不思議そうに見つめた。

「あら、まるで、私が前の人生で
苦しまなかったような言い方ね」

「そうは言わないけど・・・これほどじゃ
なかっただろ?」

マギはくすっと笑ってホンナを
見返した。

「まったく、暢気な精霊さんだこと。
私もこれくらいの時、
何もかも失って、 
新しいものを探す力もなくなって・・・
もう死んでしまおうと思ったことを
忘れてしまったの?」

ホンナはソファに横たわる、夢のマギと
自分の横に佇むマギを見比べながら、
首をかしげる。

基本的に何事も記憶しているのが
精霊である。

マギも確かに苦しんだ時期があったが、
何かが違うような気がする。

「・・・もしかすると、これは、
とんだ禍の種かもしれないね」

ホンナはそうつぶやくと、
マギは何を思っているのか、
こう言った。

「たとえ、そうだとしても、
それもまた運命なのよ」

                続

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