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精霊の舎-33(連続短編小説)

ガイヤは更に続ける。

「今までのマギとの関係は、
ひとえに、私のあなたに対する
想いからだったんだ。
例えば、私があなたの一人娘だった時、
自分の一番弟子のマギと私の結婚を
強く望んでいたり、
あなたとマギが姉妹の時、
私にマギのことを頼んで亡くなったり・・・。
マギ自身のことも好きでなかった
わけではない、でも、私は何より、
あなたに惹かれていた、だから・・・」

ホンナは少し間をおいて、
それから静かに髪をかき上げる。

「・・・つまり、あの人生では、
もうすでに、私は人間として存在
しなかった、だからマギと結ばれる
必要はなかった、というわけか」

ガイヤは無言のまま、
しかし力強くうなずく。

「でも、どうして、一介の人間だった
君に、私の不在がわかったんだ?」

そう聞かれて、ガイヤは首を振る。

「あなたの人間としての不在も
精霊としての存在も、
自分が精霊になるまでは知らなかった。
ただ、マギに魅力を感じなかった
理由を、後で、そういうことだったんだ、
と知ったに過ぎない。
・・・あなたはいつだって、
そうやってマギに夢中で、
私の想いに答えようとしてくれないけど、
ホンナ、私は、さっきから、あなたに
正面から愛の告白をしてるんだよ」

そう言われて、ホンナはかすかに
目を細め、それから、
何でもないようにまた髪をかき上げた。

「・・・私たちには悠久の時がある。
今ここで、その問題に答えることは
できないけれど、いつか必ず
答えられる日が来ると思う」

ホンナの真摯な態度に、
ガイヤは、目を伏せた。

「・・・わかった。じゃあ、続けてよ。
あなたは、もっとマギのことを
話したいんでしょ?」

ホンナは一瞬ためらったが、
正直に切り出した。

                続

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