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精霊の舎-39(連続短編小説)

ガイヤはマギの書いた、
いくつかの物に目を通した。

明らかに、過去生での自分が
モデルになっているものもあれば、
想像で書かれているものも
かなりある。

が、その想像の世界の心地よさに
驚いた。

自分が味わえなかった
様々な思いや感覚を、
ガイヤはマギの書き物の中で味わった。

そしてマギの、
自分に対する愛情や
ある意味での執着に驚愕すると同時に、
決してそれが不愉快なものではないことに
気付いた。

そこには大きな何かがある。

運命の恋人と行違うことの醍醐味と
いったものを楽しむ感さえあるのだ。

マギの創作者としての可能性が
カイというミューズを
見つめながらも、
彼本人を手に入れないジレンマの中で、
大きく花開いているのだ。

―これは、驚きだ・・・-

ガイヤは、ホンナの思い入れも
多少理解できるような気がした。

そしてマギの心に念じてみた。

まだ、自分の姿が彼女の中に
存在しているかどうかを。

          続


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