精霊の舎-29(連続短編小説)
「・・・どうして今まで
黙っていたの?」
ホンナの問いかけに、
ガイヤは、同じトーンで聞き返した。
「・・・どうして今まで
気付かなかったの?」
ホンナは、ちょっと押し黙り、
それから急に声を立てて
笑い出した。
「知っての通りさ!
私はマギを愛している、
だから君の存在が
面白くなかったのさ」
「それなら、私も言わせてもらおう。
あなたの、マギの対する態度が
面白くなかったから、
黙っていたんだ」
ガイヤは、ホンナにも
劣らないくらいの勢いで
そう言い放った。
「私がどれがけ精霊になって、
あなたに会うことを待っていたか、
わかるか?
マギなんて、ただの魂に
過ぎないじゃないか」
ガイヤは激しい情熱で以って、
ホンナに思いをぶつけた。
続