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精霊の舎-7(連続短編小説)

そして、その1つの生を終えて、
ここへ戻ってきたマギ。

ここで、彼女は宇宙の法則を
見出すんだろうか、
それとも、また再び、
人間として生を受けるのだろうか。

ただ1つ確実なのは、
マギは絶対に精霊にならない
ということだった。

精霊は、常に育てる者、守る者、導く者。

マギの魂は永遠に
学び、育てられ、導かれる
類いのものなのである。

突然、ホンナの頬に
冷たいひとしずくが当たった。

うっすら目を開くと、
青空の中から、
大粒の雨がこぼれだしていた。

通り雨か、とホンナは再び目を閉じて、
濡れた頬を手で拭う。

そして、かつての過去生での、
あの瞬間を思い出す。

―WATER・・・―

マギは溢れる水を手に感じ、
初めて閉ざされた闇の世界から
ホンナに手を差し出し、
出口への第一歩を踏み出したのである。

あれほど、
人間としてのマギがマギらしく、
ホンナがホンナらしく
自分たちの役割を
果たした人生はなかっただろう、
と思う。

しばらく雨の中で寝ころんでいた
ホンナはゆっくり起き上がると、
雨に濡れてますますその香りの広がる
白ユリを一輪摘むと、
マギの家へと向かった。

                続 


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