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精霊の舎-23(連続短編小説)

マルベリーのお風呂の後、
マギはエルサからのメッセージを
受け取つた。

もし、都合がよければ、
今からマギの家に行く、
というのである。

マギは喜んで招待した。

ずっといろんな関係で
時を過ごしてきたエルサは、
時に、マギの母親であり、
大親友であった。

メリン同様、
この世界でのグループは
違ったけれど、
魂の友と呼ぶには
ふさわしい相手だった、

しばらくしてエルサが来ると、
二人はかつて親友として時を
過ごしたように語り合った。

エルサもマギ同様、
前の世界で伴侶を得ることなく
過ごした人物だった。

彼女の心はいつも強く
安定していて、
いつかは精霊になる性質では
ないだろうかとマギは思っていた。

ホンナも、エルサの、
変わらぬ逞しさと
やさしさを常々ほめていた。

マギがそのことについて語ると、
エルサはうれしそうに笑った。

「そうね、精霊の仕事って、
とてもすばらしいと思うわ。
でも、私みたいな単純で
のんびり屋の魂に務まるかしら?
それに、人を導くほどの何かを
持っているわけじゃないもの」

「でも、あれって、
精霊になってから知るわけでしょ、
誰をどのように導くかっていうの」

「それにしても、
素質ってものがあるじゃない。
私はせいぜい、助ける者、よ」

                  続

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