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精霊の舎-27(連続短編小説)

一人になって、ホンナは考えた。

マギのミューズが今、
どこで何をしているのか、
きっと自分は知っている。

しかし、知りたくなかったから、
ろくに考えずにきた。

こんな感情は、精霊失格だ。

マギが言うように、
まるで拗ねた少年みたいではないか。

ホンナは目を閉じて考える。

自分とマギの関係。
マギとカイ、カイと自分。

そして、ハッとした。
カイについて、
今までいろんなことを
見落としてきたような気がしたのだ。

前のマギの人生で、
カイは、不可思議なくらい、
マギと接点を持たなかった。

それまで、何回か、
カイとマギは同じ時を
過ごしてきたけれど、
必ず、それなりのつながりはあった。

ホンナとマギが
精神的であるとすれば、
マギとカイは、肉体的に、
つまり、肉親や、夫婦といった
関係が多かった。

なのに、なぜ、
今回の人生に限って、
こんなにも二人の肉体は絶たれ、
逆にマギの精神の方を支える形で、
カイが存在したのだろうか。

そもそも、カイとは、
一体、何者なのだろう。

ホンナはしばらく目を見開いて
考えていたが、観念して、
再び目を閉じる。

あの人生での、
マギとカイの姿が浮かび上がる。

二人の最初の出会いは、マギが24、
カイが21の頃だった。

一方的にマギが熱を上げ、
その情熱を創造者として、
違う形に変えていった。

              続


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