手紙 第二話「父と鳩」(仮想現実)
ちょっと投稿しないと、
南の婆さん、
死んじゃったかね?とか
言われそうなので、投稿します。
そうね、父への手紙を書きえずに、
前回終わっちゃったものね。
本来なら、娘の事のほうを先に
書くべきなんだろうけど、
私は父のことのほうが書きたいのです。
父は、そりゃ、だいぶ前に
亡くなりましたよ。
でもね、この婆さんが
縁側からぼんやり
庭の干し竿を見ていると、
鳩が一羽、止まりましてね、
どうも、父のような気がして、
何度か「父さん?」と
声をかけたのですが、
ホーホー鳴くばかりで
返事はないものの、
数分、こちらを見ておりました。
あれは父が南の今の姿を
見にきたのだと思いたいのです。
もうすぐ、そちらに逝くからね、
父さん、南はなんとか寿命を
まっとうできそうですよ、
と、声をかけました。
あれ、婆はボケているのかしら?
父と鳩を重ねるなんて、
なんだか滑稽ね。