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精霊の舎-17(連続短編小説)

夢のマギは、うなずくと、
自分で起き上がった。

マギは庭に咲く、
七色の花から作った紅茶をいれた。

「ここには、不思議な花があるのね」

「ええ、心に描けば、
どんな花でも咲かすことができる。
物質にとわられている世界とは全く違うの」

「・・・私、死んだの?」

夢のマギは、自分をここに連れてきた
ホンナに尋ねた。

ホンナは軽く首をかしげる。

「君が望めば、戻れるんじゃないかな」

夢のマギは、激しく身を震わせた。

「とんでもない!
誰が戻りたいもんですか!」

その声の強さに、
ホンナは目を細めた。

「・・・君の人生には・・・
君を助けてくれる人はいないの?」

夢のマギは、テーブルに肘をついて
頭を抱えた。

その姿が、彼女の絶望の深さを
表しているようだった。

「・・・いないわ。男の人も、女の人も。
私は、本当にひとりぼっち。
自分で選んだ道なのかもしれない、
でも人との出会いって、
運命だと思わない?
誰でもいいから、
恋人に、親友になってほしいだなんて、
私には思えなかった」

マギは、ホンナと顔を見合わせる。

「・・・どうやら、本質は、
間違いなく君のようだね」

それを聞いて、夢のマギは、
顔を上げる。

頬は涙で光っていた。

「だけど、そう信じて、
幸せになれた人がいるとは思えない。
みんな適当に結婚して、
適当に子供産んで・・・
人生や、運命について考える
私はいつもひとりぼっち。
人間としてバカなのは、
要領が悪いのは、私の方なのよ」

                  続

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