「便利さ」と戦う時代が来とる。
この記事は時代への警鐘でもなく、未来予想でもなく、完全に僕の日記です。
今の時代、全てがテンポいい。
流行る映画やドラマも極力人物像や回想シーンを減らして音楽で言うところのずっとサビみたいな状態でどんどん進むコンテンツが主流。
芸能人のゴシップ暴露のチャンネルが爆誕し、今までのバラエティ番組なら「次回大物芸能人〇〇の▲▲が明らかに!」くらいの情報が、
ライブ配信中のチャットで流れてきた質問に
・〇〇?あれは遊びまくってます。
・〇〇はあの子と遊んでました。証拠もあります。
くらいのテンポでどんどん発信される。情報の真偽の程は知らない。あくまでテンポの話。
こうなってくると明らかに刺激過多。どっぷりハマってそのテンポ・強刺激じゃないと満足感じられない人が増えてくる。言ってしまえば不感症。
この先、この手の暴露系の投稿増えてくると思います。人の裏話って面白いしやっぱ注目されるんですね。知ったから何だと思いますけどね。
こんな流れならもう馴れ合いで集まってるコミュニティには顔出さないよ、って人増えてくる気がします。
何故かというと情報の精度・注目度はさておき、こういった暴露系のチャンネル・企画は大なり(テレビ)小なり(身内ノリ)乱立してくると思うので。人の裏話って瞬間風速的な注目を集めるにはもってこいなんでしょうね。
情報系のアカウントも増えてきましたよね。
「〇〇な情報5選」みたいな。これは受信側が手っ取り早く情報収集したい、それらに時間をかけたくないというニーズがあるから伸びてるんだと思います。
サッカーみたいなメジャースポーツも例に漏れず、試合時間の短縮が議題に上がるレベル。45分45分の前後半90分を最後まで観れる集中力が若い層の視聴者には無いらしい。魅力的なコンテンツにするためには試合時間を短縮し、テンポ良く試合こなすようにするのはいかが?という議論がまじでされている事実。
流行り廃りのテンポも早い。
これに関してはSNSとかで一気にバズったモノの流行り廃りが早いだけなんだと思ってます。
僕は渋谷の某焼肉屋、オープンまでのPRは素晴らしいし今日本で一番知られてる焼肉屋になれていると思います、がバズり過ぎていると思ってて、
今この瞬間は「あの焼肉屋」に行ってきましたと言うことで皆はどんなんだろう?と興味を持つけど、数ヶ月後にあの焼肉屋の投稿をする事は「ダサい・遅れてる」みたいな感覚になるインフルエンサーで溢れてるとおもいます。
SNSで流行っていると言う指標ほどあてにならないものはないですよね。今「この瞬間」だけの評価ですから。その「瞬間」が本当に短くなってきてる気がします。
繰り返し通い、何度通っても質の高いお肉が提供され、店員さんの対応も良く、誰かに見せびらかす必要もない大事な時間をそこで過ごしたいを思うような店が本当の繁盛店だと思っています。そこにバズやPRのハックは要らない。必要なのはお店側の継続された努力と工夫。
僕らは、知らず知らずに本来持っていた集中力・時間をかけた努力の積み重ねで何かを達成するみたいな事を手放そうとしてるんですよね。
いや正確に言えば無理やり引っぺがされようとしている。
岡田斗司夫さんが過去の動画で仰ってた
今のネット・無料コンテンツ時代時代はアヘン戦争の頃の中国に似ている。何かをやろうとしてもポケットの中に強い刺激・興味があり、それに触れていないとストレスを感じてしまう。恋愛や仕事関係は確かに億劫で面倒だけどの煩わしさを超えた先に人としての満足がある。そこまで辿り着く前の工程が強刺激の無料コンテンツにどっぷり浸かった人は全て「煩わしさ」に感じてしまう。(僕があくまでニュアンスで捉えてるのでこんな感じの内容だったと言うレベルです)
これは本当にそう思う。
そしてその流れはもう止まらない。なぜかというと多くの企業はこれまでになかった便利な体験・商品を世に送り出そうと競い合ってるから。
僕らができるのはそんな時代の中でも「身を持ち崩さないように努力」をする事。
僕の最近のテーマはそれだったりします。
あえて時間がかかる事を選んだり、煩わしさから逃げない選択をしようと心がけてます。凄い難しいですが。
そんなことをしていてふと思ったんですけど
不便との戦いはもうほとんど頭打ちに来ててここからは「便利さとの戦い」が始まっているんじゃないかと。
便利さ・不便さ両方意識してバランスを取る必要が絶対あるなと。
そして、時間をかけた学びや努力の継続は絶対にこの先も重要であり続けると言うことは間違いないと思います。
集中力が無く、継続性のない主人公のフリをしてるが、本質は受動的な人が世に溢れてるこの時代で「身を持ち崩さず」努力をして何か価値あるものを世の中に与え続けられる人は絶対に生き残る。
そんな考えから、僕は少し前に「茶道」を始めました。コスパ・ハックの思考とは全く逆の世界。非常に新鮮で、学び多い時間です。これについても今後かけたら書きたいと思います。
毎回、正座が痺れて動けなくなるのもまたヨシ。
茶室にはスマホは勿論、時計や装飾品は一切持ち込み禁止。そこにあるのは同じ空間にいる人への配慮、もてなし。
自分への注目、PVが多ければ多い程ヨシとされる今の世の中と違ってあくまで相手本位のスタンスは美しく、日本人の想像力を体感できるのです。
テンポ、テンポ、に偏り過ぎた今、ゆっくり丁寧に、は大事にしたいよね。