今アパレル業界が向き合うべきはECではなくカスタマーサクセスだった!?
〜アパレルが陥っている負のサイクル〜
販売員の皆様、今回のSALEは忙しいですね。しかし、SALE後を見据えないと多くのブランドは潰れます。
知らないうちにあなたのブランドもその1つに入っているかもしれません。
そんな私も自分の働くブランドに不安を抱えています。
そんな中私が入っているオンラインサロンで紹介された本がアパレル業界が抱える問題と重なりました。
カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則-ニック・メータ
この本がなぜアパレルに関係するかというとサブスクリプション. SaaSそしてカスタマーサクセスがアパレル小売業に密接に関わっており、これからのアパレル業界が取り組むべき内容だったのです。
カスタマーサクセスとサブスクリプションと SaaSについて
カスタマーサクセスは顧客成功の事でアパレルに置き換えると商品を買ったお客様が満足し続けたり、着る事でいい方向に進むという感じです。
サブスクリプションは最近よく耳にしますが、月額定額制のサービスは身近な物だとAmazon primeとかNetflixですね。
SaaSについては以前書いた記事で紹介してますが、簡単に言うと解約されないように常に良いサービスを提供し続ける事です。
これを見て気付いた人もいるでしょうが、これって販売員がずっとやってきた顧客化と同じ事なんです。
顧客化とSaaSは同じだった
顧客化とは定期的に自分から商品を購入してもらえるよう最善を尽くす事で良いサービスを提供し続けなければお客様は離れていってしまいます。
定期的な購入とお客様に合わせて良いサービスを提供し続けるという事はサブスクリプションやSaaSと同じなわけです。
そして、カスタマーサクセスとは購入ではなく、購入後に幸せを感じ続けるということです。
カスタマーサクセスを理解するとアパレルの問題点も見えてくる。
例えば毎月1万円くらい買って下さる顧客様がいるとします。
この方はあなたを信頼しており、毎月服を買いに来てくださるのですが、NetflixやAmazon primeって月額1000円とか500円くらいなので月額1万円と考えるとかなり高いサブスクリプションに加入するのと同じ事になります。言い換えると提供するサービスの質をNetflixの10倍にしないといけないわけです。
しかし、販売員が限定的かつ一方的なサービスを提供すると満足度が下がったお客様は解約(離反)して別のサービスを求める。
というようなサイクルが実はアパレル業界でずっと続いていたのです。
カスタマーサクセス実現の為になにをするのか。
販売員に出来る事が限られているのが現実ですが、この本の中に印象的な言葉がありました。
「何もしなければ顧客は離れる」
これを見て、こまめにアプローチしてるよ!
という販売員もいるかもしれませんが、それって販促としてメールを送っているだけでお客様の為ではなく売上の為にアプローチしていませんか?
それは顧客成功の観点では何もしていないのと同じです。
アパレルのアプローチは来店促進メインなのはお客様も知っています。
だからメールが来ても見ないし、どんなに良い内容でも信用しきれません。
本当にすべきアプローチはその人にとって利益になる情報を提供し続ける事。
理想論では片付けられない。
売上を捨てないと売上が取れない現実。
既に目先の売上を求めた結果、お客様が離反するというサイクルに陥っている店舗を復活させるにはお客様にとっての利益提供が必要です。
売上の為の「来て下さい」をやめて「ここの服似合いそうですね」と他のブランドを勧めてもいいです。
これを繰り返す内に他で買った服に合わせる服を買いにあなたの所に来てくれるのです。
お客様の為に尽くす。
言葉では聞きますが、そんな理想論では商売は成り立たないと思っていませんか?
その考えは今から捨てましょう。
常にお客様の為だけに苦しい努力を続けるブランドだけが生き残るのです。
お客様は神様ではありません。
信心深く祈っても慈悲で買い物はしません、自分にとって良い事だから買い物するのです。
カスタマーサクセスを実現するには販売員だけでは難しく、評価の問題や本社の問題もあるでしょう。
しかし誰かがやらないと負のサイクルは続きます。
あなたから動き出して周りを巻き込む事で、この先あなたのブランドは周りと違う輝きを放っているかもしれません。
それではまた。