「尊敬する人は?」への回答
広域性通信制高校サポート校・CAP高等学院,代表の佐藤です.
8月28日,0:00よりクラウドファンディングが公開されました.今回は今年の3月まで6年間,教員としてのキャリアを歩んでいた私が,なぜ広域性通信制高校サポート校・CAP高等学院を始めようと思ったのかを書いてみようと思います.
公開中のクラウドファンディングはこちら↓
https://camp-fire.jp/projects/view/310836
面接指導時の違和感
前勤務校では,就職面接指導というものがありました.
名前の通り,就職希望の生徒たちを教員に割り振り,面接の応答や振る舞いを指導していきます.
生徒たちには事前に面接マニュアルのようなものが配付され,それを見ながらワークシートに自分なりの受け応えを作成していきます.
マニュアルには,過去の就職面接で尋ねられたことを,面接を受けた生徒から聞き,それらを纏めて,記載しています.
ただ,私が見てきた限り,内容はあまりアップデートされておらず,「本当に今も尋ねられているのかな?」と思う質問もありました.
「あなたの尊敬する人物は誰ですか?」
その中で特に違和感があったのは,「あなたの尊敬する人物は誰ですか?」という質問です.それは,質問自体にも「これを尋ねることで,受験者の何を見たいのか?」が今ひとつ思い浮かびづらいこともありますが,それ以上の違和感が,生徒たちの準備してくる回答です.
「あなたの尊敬する人物は誰ですか?」
「はい,私の尊敬する人物は父です.」
「どうして尊敬しているのですか?」
「はい,私の父は,いつも一生懸命働き,家族を支えてくれるからです.また私が幼い頃は,休みの日にいつも遊んでくれたり,旅行などに連れて行ってくれるとてもやさいいところがあるからです.私も将来家庭を持ったとき,父のような家族を大切にする父親になりたいと思います.」
...そうかぁ.
「あなたの尊敬する人物は誰ですか?」
「はい,私の尊敬する人物は自分が所属している〇〇部の顧問をしている△△先生です.」
「どうして尊敬しているのですか?」
「はい,△△先生は,いつも私たちのために練習メニューを考えてくれて,効果的なトレーニングをさせてくれます.その効果のおかげか,私の身体はとても大きくなり,以前よりもパワーがつきました.私は将来,御社の〇〇部に所属し,いずれは指導者になりたいと思っています.△△先生はまさに私の理想とする指導者です.」
...なるほど.
2つほど例を挙げましたが,毎年のようにこういう回答が続きます.皆さんどう思いますか?
何かが足りない?
毎年同じような回答を聞くと,やはり「いったいこの質問で企業は何を求めているのだろうか?」と考えてしまいます.そして,もし毎年同じような回答を聞いて,何も疑問に思わないのであれば,質問は形式上のものに過ぎないか,もしくはせいぜい面接のための準備をしっかりしているかくらいのものでしかないことになります.
指導する側も,毎年同じような回答に対して,何も疑問に思わないとすれば,この質問に対して,そもそもあまり意味を感じていないか,もしくはしっかり準備してそつなく応えることをよしとするぐらいに考えているのではないかと思いました.
では,なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
出会いの大切さ
上は,高校の時間割の一例です.高校生は,1日6時間もしくは7時間の授業を週5日間受け続けます.
授業が終わればすぐ下校という生徒も中にはいますが,その後に“課外活動”として,部活動や課外授業をしている高校生もたくさんいます.
週末が休みかというとそうではありません.土日にも部活動があったり,土曜課外なんていうのもありますよね.いったいどれだけ長い時間を学校で過ごすのでしょうか?
これだけ拘束されている時間が長いと,高校生が出会える大人の数は,ごくごく限られてきます.両親,学校の先生,部活動に来ている外部コーチ,課外授業を担当している外部講師...これでは尊敬する人で挙げられる人に限りが出るのは当然ですよね.
確かに,部活動や勉強に没頭することは,充実した高校生活を感じさせるものかもしれませんが,将来に劇的な変化をもたらしてくれるような,“イケてる”大人に出会えていないのは,なんだか勿体ない気がするのです.
これは,先生にも同様のことが言えます.
部活動や課外授業の指導を終えた後に,様々な校務分掌をこなし,教材研究までする.どれもとても重要な仕事であることは間違いないのですが,就職指導や将来の進路指導をする際に,教員以外の様々な人と出会わないで,生徒にどれだけリアルな話ができるのでしょうか?
もっと出会いの大切さを理解してほしいところです.
そのためにはやはり...たくさんの大人と出会える環境と時間が必要です.
手前味噌ですが...
「あなたの尊敬する人物は誰ですか?」
「はい,私の尊敬する人物は株式会社〇〇の経営者である△△さんです.」
「どうして尊敬しているのですか?」
「△△さんの祖父母は,農業を営んでおり,朝から晩まで1年中働いているそうです.特に稲作には力を入れており,祖父母の作ったお米を実際に食べると,『世界で一番美味しいご飯だ!』といつも思うそうです.しかし,祖父母の暮らしは決していいとは思えず,いつもお金のことで苦労していたらしく,△△さんは,自分の祖父母のような農家の方々の暮らしが豊かになるようにと思い,株式会社〇〇を設立したと,直接ご本人から伺いました.私は,御社の取り組んでいる事業が,漁業を営んでいる方々の生活を豊かにするためにとても有効なものだと感じました.日本にとって漁業は,農業と同じくらい重要な産業と考えております.私は漁業界の△△さんおようになりたいと考えております.」
くらいの面接練習ができる環境を作りたいと思っています.
広域性通信制高校サポート校」であるCAP高等学院では,オンラインを有効に利用しながら,地元福島や全国の“イケてる”大人と出会い,対話をしたり,ワークショップを開催していきます.
個別相談会は随時行っています.
お問い合わせは↓
info@caphighschool.com
まで.