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都合の良い面倒見の良さアピールはいらない

 こんにちは.広域性通信制高校サポート校・CAP高等学院の代表をしている佐藤裕幸です.『シン・ニホン』公式アンバサダー・サトティーでもあります.

 僕は毎週水曜日の夜に開催されているベネッセ総合教育研究所主催のオンライン座談会に参加していて,全国のさまざまな先生とさまざまな話題について対話をしています.

緊急事態宣言間近の今年最初の対話の中で...

  昨日(1月6日)に今年最初の座談会がありました.今週はフリートークの時間で,参加されている先生方から話したい話題をいくつか出してもらい,3つのグループに分かれて対話を重ねました.

 共通テストもあと10日に迫る中,昨年受験生のクラスの担任をしていた僕は,センター試験の会場に引率という形で2日とも足を運んでいました.

いつから会場引率が始まったのだろう?

 先生方と対話を重ねながら,いつから会場引率が始まったのだろうか?と考え始めていました.
 僕が高校3年生の時(35年前.その時は共通1次試験でした),試験会場に先生方が来てくれてはいなかったはずです.そして、来てくれなかったことに特に違和感はなく,来てくれることを想像すらしなかったと思います.

 首都圏などでは,中学入試などに進学塾のスタッフが応援に駆けつけるみたいなものはかなり昔からあったと思いますが,大学受験で会場に足をはこぬというのはなかったように思います.

不思議なことが起こり始めている

 しかし,いつの頃からか,応援と称して先生方が会場に足を運ぶようになり始めました。しかも,「私たちは当日◯◯のところにいるから顔出してね!」みたいなことまで言うわけです.

「えっ,なぜ応援に駆けつけている先生のところまで気を遣ってわざわざ受験生が行かなくてはならないの?」

 不思議に思いませんか?
 そして,先生が来ていない学校の生徒はなぜか励まされていない気持ちになって,ネガティブになってしまう...試験当日の主役は誰なんでしょうかね?

不思議なことは,受験前にも起こっている

 しかも,不思議なことは受験前から起こっています.
 ある先生から聞いた話では,学習塾が在籍の生徒の願書を提出するらしいのです.しかもFAXで...

 第三者の個人情報を平気で預かり,しかも送信間違えがあるかもしれないFAXで願書を出すって,あまりにも不思議ではないでしょうか?

 その学校の先生方の中でも,今時FAXというのは結構問題と思っているようですが,声の大きな学習塾が,オンラインに対応できていないと言う理由で,FAXの受付をやめられないということです.

勘違いの面倒見の良さは“大きなお世話”でしかない

 学習塾がまとめて願書を出すのは,面倒見の良さアピールでしかないと思っています.
 出願当日,「お母様,無事に出願を済ませ,願書が受理されました」と自宅に電話を入れているのが想像できます.
 しかし,これは本当に面倒見がいいと言えるのでしょうか?

 コロナウイルスが爆発的に感染している中で,試験当日に応援と称して会場に足を運ぶということを“面倒見の良さ”と勘違いして行うことだけは絶対にやめてほしい.

「ウチだけは...」

お願いですから,そんな思いに駆られないでください.

 もし,応援に来た先生がウイルスを持っていれば,試験会場は確実にクラスターになります.風通しの良いところで遠くからひっそりと見守る程度なら...みたいのもやめましょうね!

 もし先生が感染していないとしても,応援の途中で感染してしまえば,職員室で会う全ての先生方が濃厚接触者になり,学校自体を止めなくてはなりません.

「学びを止めるな!」

と発言されていた先生方が,学びを止めることになりかねません.

今すべき最大の面倒見の良さは,受験生を少しでも感染リスクに晒さないことです.

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