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実は教員が社会と最も繋がりやすいところにいるという事実に気づく

広域性通信制高校サポート校・CAP高等学院,代表の佐藤です.

 8月28日,0:00よりクラウドファンディングが公開されました.今回は今年の3月まで6年間,教員としてのキャリアを歩んでいた私が,なぜ広域性通信制高校サポート校・CAP高等学院を始めようと思ったのかを書いてみようと思います.

公開中のクラウドファンディングはこちら↓
https://camp-fire.jp/projects/view/310836

「教員の常識は世間の非常識?」

 この記事を読んでくださる方の中には現役の教員の方もいるかもしれませんし,そうでない方もいるかもしれませんが,「教員の常識は世間の非常識」というフレーズを聞いたことはありますか?

 私は結構聞いたことがあります.そして私の意見は,ある意味で“的を射ている”と感じています.皆さんはどう思いますか?

 しかし,この質問を考える前に,教員の部分を別の言葉にしたフレーズも聞いたことありませんか?例えば「霞ヶ関の常識は,世間の非常識」とか「航空業界の常識は,世間の非常識」とか...

 自分自身が所属している企業や業界においては,当たり前のことであっても,他の企業や業界では全く非常識なことは結構たくさんあるはずです.つまり,世間の常識って,実は様々な業界などの非常識の積み重ねなのかなとも個人的には思っています.

 では,何故「教員の常識は世間の非常識」と思われてるのでしょうか?

人とのつながりへの意識

 教員の皆さんは,昔からの友人以外で,教員ではない知人はどのくらいいますか?また,教員以外の方は,昔からの友人以外で教員の方はどのくらいいますか?

 今,Facebookを開いてみました.友達の数475名.SNSをしている人ならばお分かりかと思いますが,決して多い方ではありません.友人・知人の間では結構外交的に見えるかもしれませんが,実はめちゃくちゃ人見知りで,元々は自分から積極的に声をかけるタイプではありません.知り合いのいないセミナーに参加するときも,結構気合入れて自分の背中を自分で押して出かけます.誰も私のことを知らないんだから,そんなふうに考えなくてもいいんですけどね.

 話が逸れてしまいましたが,Facebookの友達を眺めてみると,4〜5割が学校の先生以外の人です.

 もちろん,他の学校の先生方や教育関係者とのやりとりもとても参考になりますし,問題解決につながるヒントを得られることもたくさんありましたので,それはそれでとても重要なのですが,やはり視点が似ているものが多くなってしまいます.

 しかし,全く別の業界の方と話をすると,もともと自分の領域にない話が次々と現れ,自分の無知さ加減に気づきます.さらに,一見関係なさそうなことが,実は教育と非常に強く結びついていることを対話の中から見出すことが数多くあるということに気づきました.

 一方,教育業界以外の方からも全く同じような話が出てきました.「学校現場と私がいる業界も同じような問題を抱えているかも...」と何度も言われたことがあります.

 つまり,教員に常識がないということでは決してなく,他の常識を知る機会を持っていないだけであり,しかもそれは他の業界でも普通にあることで,いかに人と人とのつながりが薄かったのかということに気づきました.

保護者をどのような視点で見ているか?

 2年ほど前にあるオンラインの企画で知り合った方と,初めて直接お会いした時に,「教員の常識・非常識」について話すことになりました.その時,「教員のほとんどは,教員の常識の中でしか生きていないんですよね」と私が話した際に,その方に言われたことにハッとしました.

「佐藤先生,それは2つの意味で正しいとは言えないと思います.1つは,それはどの業界についても同じことが言えます.教員の方以上に狭い常識の中で生きている人たちばかりの業界もたくさんありますよ.2つ目は,1つ目とも関連しているのですが,普段教員の方々が定期的にお会いしている保護者です.保護者の方々は,本当にたくさんの職業に就かれています.お子さんについての面談の機会に,普段されているお仕事のことなどをじっくり話せば,いろいろな業界のことを知ることもできるんですよね.つまり,機会はたくさんあるのに,そのことに気づいていないだけなんです.自分たちで常識の幅を狭めているんだと思います.」

 私自身,保護者との面談でたまに保護者の方のお仕事について話すことはあるものの,興味をもって何かを知りたいと考えて話すことは正直なかったので,狭い常識の中で生きている原因を作っているのは,自分自身にあるということを気づかせてもらいました.

保護者の思いが見え隠れする

 2年前にかけていただいた言葉が,私を動かす大きな力となりました.改めて人との出会いの大切さを感じています.

 それ以降,面談の際は保護者の方と,普段のお仕事の話をするようになりました.ある職業について,それまで知っているつもりになっていたことを実は全く理解していなかったと気づくことがとても多くなりました.

 同時に,お仕事の話をすることは,他にもちょっとした副産物が生まれ,進路指導にも役立ちました.

 例えば,生徒が進学したい学部に保護者が反対している状況の時です.保護者が自分の子供ことを心配して,安定した職業につけるような大学・学部選びを望んでいるのは,保護者の職業が意外と影響するところがあります.「自分はとても苦労しているから,子供だけはそうしたくない」とか,「そばで仕事をしている姿を見ていると,人から求められている職業だと明らかにわかるので,子供にも将来人から求められるような仕事をしてほしい」など,保護者の思いがどこから生まれているかに気づくことができるようになりました.

 ですから,生徒の思いを叶えてあげたいと思う時には,その思いを否定しないようにしながら,それ以上のメリットが生徒の進学先にあることを少しずつご理解いただけるように話せるようになりました.

読書会に参加して教員の新たな価値に気づく

 つい先日まで,安宅和人著「シン・ニホン」の読書会に参加していました.

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 本の中で時々出てくる数学的な用語について,参加されている方々がわからない時に,3月まで数学の教員だった私が,その用語についての解説をすると,「さすが先生.説明がすごくわかりやすい」「中学で数学は諦めたけれども,解説を聞いてもう1回数学を学びたいと思った」など結構喜んでいただきました.普段は生徒たちにしか教える機会がない教員が,新しいコミュニティーに参加する勇気を持てば,社会において新たな教員の役割を持つことが可能であると気づいた瞬間でもありました.

教員がもっと社会につながることの重要さ

 私が代表を務めるCAP高等学院は,「高校生と社会の間にある垣根を壊し,新しい学びのインフラを作る」ことをビジョンにしているので,生徒・学生が社会とつながることを目指しています.したがって,こういう表現をするのはあまり好きではありませんが,学校や教員は生徒・学生をいずれ社会に送り出すことになります.ということは,少なくとも送り出す先の社会について,教員は最低限のことを知っておく必要があります.

 そのためにはまず,教員が積極的に社会とつながる必要があります.社会のごく一部だけを見て,あたかも何事も知っているかのように話をするって,怖いと思いませんか?

 先日ある高校生が,言っていた言葉です.

「僕にとって一番関わって欲しくない先生は,知らないことを知らないと言わずにもっともらしく語る先生.もっとも先生だったらもっと社会のことを知っておいてほしいと思ってしまいますが...」

最後に

 あるインターネットの情報番組で,出版社の編集に携わっている方が言っていたことがとても印象的でした.

「何か企画をする際に,LINEやMessengerでグループを作る時,グループを立ち上げて,集めたい人をすぐに集められるか,それともすぐにグループのメンバーとして声をかけられるかが,これからのビジネスマンに必要な人材になっている化を図るバロメーターになります.」

人とのつながりを大切にしないと,間違いなくこの流れには乗れないし,これから社会に出ていく生徒・学生には絶対に伝えておきたいことかと思います.

 CAP高等学院では,CAP生に高校卒業のための単位を最速・最適に取得してもらい,空いた時間をCAPこうと学院を支援してくれているたくさんの“イケてる大人”との出会いに使うことができます.気になる方は
info@caphighschool.com
まで,お気軽にお問い合わせください.


 


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