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【インタビュー】オンラインのジャグリング大会「e-Jugg」への想い #1

コロナ禍でジャグリングのイベントが減っている中、企画を作っている方の想いを届けるためにインタビュー連載を行っています。

本日はe-Juggling Competition(以下e-Jugg)の運営をされている御堂さんにお話を伺いました。

e-Juggとはこれまでのリアルな会場で行われる大会とは違い、予め提出してもらった演技動画のみで競い合う新しいタイプの大会です。

オンライン開催のため従来のように一ヶ所に集まって観覧するのではなく、Youtubeで自分が見たい時間帯に好きなように見ることができます。

2020年3月にも1度 e-Juggは開催されており、2回目となる今回はエキシビジョン部門が追加されました。

ー 本日はよろしくお願いします。新設のエキシビジョン部門も盛り上がりましたね。

そうですね。特に今回は個性的で面白い映像作品が集まったこともあって、想像以上に盛り上がりました。

今回のエキシビジョン部門は実はe-Jugg運営で発案したものではなく、第二回大会開催の依頼をWJD in OSAKAさんから受けたときの会議で宮田直人さんが発案したものです。コラボすることで新しいことが生まれるんだと実感しました。

当初はとても良い案だし面白そうだからやろう!とすぐに採用になったわけですが、その一方で「もし動画が集まらなかったら、盛り上がらなかったらどうしよう」と結構不安でした。

ルールもあえてあいまいにしてあって、それをどう解釈するかは各自に任せていた部分があるので、とんでもないものが来る可能性もあり、それも不安要素ではありました。

ー ご自身も出場用の動画を出されたんですよね。

はい。どんな作品が出てくるか完全に任せてしまっていたので、せめて「私はこう捉えましたよ」というのを示したいなと思って自分でも出場することにしました。

ふたを開けてみたら他の4人の発想力とか良さがすごすぎて自分が出す必要全くなかったと思いましたけど(笑)

今後こういうジャグリングの魅せ方がより発展していったら嬉しいなと思います。

ー 演技内容にテーマを与えるようなことは考えていますか?

テーマを与えることは考えていないですね。e-Juggは多くの他の大会でも取り入れられているジュニア部門とシニア部門だけで行う、動画大会のスタンダートであり続けたいと考えています。

まずはコロナで出番が無くなった人に場所を与えたいという想いが強いので、e-Juggはニッチな分野に向けず大きな受け皿にしていきたいです。

コロナの影響を受けているのは全員同じなので、そういう人に出場できる機会を用意したいですね。枠を狭くしてしまうと出られない人が出るのでそれは自分が目指しているものとは少し異なります。

もし動画の大会についてアイデアを持っている人がいるのであれば、色々やってみてほしいと思います。大会に多様性があれば、ジャグリングの発展に繋がっていくと思います。

ー 大会を運営するにあたって注意していたことはありますか?

参加者の想いを大切にしたいと思っていました。彼らが手間と労力をかけて作成した動画なので、本番に放送事故や、本人の意にそぐわないことがあってはいけないと思っていました。

動画大会に関わらず、音響トラブルは演者に良くない影響を与えてしまうと思うので、そこはシビアにみていました。私自身も大会に出ていて、音響トラブルなどで他の人が辛そうにしているのを近くに見てきました。 

少しくらいの問題があっても私は大丈夫でしたが、トラブルが起こるだけでストレスになったりする人もいるので、e-Juggは動画大会ではあるものの、そういった不慮のトラブルがなるべく起きないように注意していました 。

当たり前ですが、大会本番という納期に間に合わせることも大事にしていました。見る人も時間に合わせてきてくれるので、遅れてはいけないと思い、大会の前日は必死でした(笑)

なぜ e-Juggをやろうと思ったのですか?

3月頭に、各地のジャグリングの大会が新型コロナウイルスの影響で相次いで中止になりました。大会のために演技を作っていたのに見せ場を失った人がたくさん発生してしまい、せめて動画でもいいからその演技を見せられる場所を用意したいと思い開催しました。

思い返すと最後に開催されたオフラインでの大会はじゃぐなぎ杯だったと認識しています 。それが終わった瞬間に関西学生大会がコロナで中止になり、関西の人が落胆していたのをTwitterで見かけました。その後も多くの大会が中止になっていきました。

そんな中でもう一人の主催であるやむくんが「動画大会をやったら需要があるだろうか?」という旨のツイートをしており、それを見かけた私が一緒にやらないかと声をかけて始まりました。

ー どうして当時一緒にやろうと声をかけたんでしょうか?

はい、私はもともと配信や動画編集をやっていたのでその面で力になれるんじゃないかと思って声を掛けました。

具体的には3年くらい前から Real Time attackというゲーム実況をしていました。上手い人からコメントをもらえるのが嬉しかったのと、そもそもゲームが面白くて続けていました。

そこから得た配信スキルと動画編集スキルが役に立つんじゃないかと思ったんです。

ー 何かやりたい人へアドバイスをいただけますか?

とりあえず何か集まって、自分のやってみたいことを話してみるのが良いんじゃないかと思います。

人が4人くらい集まるだけで、話がどんどん盛り上がって何か生まれていくと思います。私も何人かで話していた時に舞台公演のアイデアが具体性を帯びてきて、実行に移せたことがありました。

今はコロナでその交流が無くなっているので難しいですが、そういうコミュニケーションの場所も大切ですよね。

3、4人集まれば大体のことはできるので、力を貸しあうことが大切だと思います。それぞれが足りないところを補えば良いものを生み出せると思います。自分のスキルは分かるけど、他の人のスキルが分からないという状態だと思うので、知り合いに声をかけてみると案外すんなり進むかもしれません。

仲間内で例えば配信のスキルが足りなければ、ゲーム実況している人に声をかけるなどのことができますよね。役割分担をして足りない人が分かれば、あとは探すだけだと思います。

ー Twitterでの声掛けもその1つでしょうか?

Twitterで始まることもありますが、形にならないことが多いと思います。僕がやむくんに声をかけたのは彼が「やりたい」と言ってくれたからです。Twitterでは「こういう企画があったらいいな」という人は沢山いますが、意外と企画になっていないですよね。

そういう時は「やりたいんだけど、一緒にやってくれる人いないかな」と言うのが良いと思います。

例えば3ディアボロの動画を作ろうとした際に、「誰か3ディアの動画作ってくれないかなぁ」というツイートをしていても実現されないことが多いのですが、「動画を作ることにしたのでよかったら出てください!」と誘うと案外出てくれる方が多かったです。主体性があるかどうかは大事な差だと思います。

今できることとしては、Zoomで一緒に飲み会をするとか、LINEでサークルのメンバーに「こんなこと考えているんだけど、面白そうじゃない?」とか聞いてみることかな。

ー e-Juggにはこれからどんな風に発展してほしいですか?

今後色々発展させていきたいと思う部分がありつつも、実はあんまり発展してほしくないという気持ちもあります。

動画で行う大会というものが、これまでの形式の大会と比べて需要が高かったわけではないと感じています。コロナウイルスの感染拡大が収まって従来の大会が再開したら、その時は今のような頻度で開催しても十分な数の出場者は集まらないと思います。

やはり本番だからこそ、やり直しがきかないからこそ、その5分のためだけに必死に練習してきたからこそ、そこに現れる美しさ、感動がありますよね。多くのジャグラーがそういうものに価値・魅力を感じているんじゃないかなと。

この状況が早く収束してほしいという気持ちから、あんまり今の形式の e-Juggが発展しないですむ状況の方が望ましいなぁと思うというのが正直なところです。

ー なかなか難しい心境ですね

はい。ただ、それとは対照的に、第二回大会でエキシビジョン部門を開催し好評だったことは重要なポイントで、あくまでも既存の大会の延長線上だった e-juggが別の可能性を見出した瞬間でもあります。

今後、従来の大会が開催できない状況下では今と同じ形式の e-Juggを開催するものの、アフターコロナでは別の価値を評価できるような大会にしていけたらいいのかなと考えています。

繰り返しになってしまいますが、e-Juggは発展していきたいというよりかは受け皿としての立ち位置を大事にしていきたいので、今の形を継続していこうと思います。

コロナが収まってきたら、またその時にあり方を考えていきたいですね。


前編は以上になります。お読みいただきありがとうございました!
続きは後半のインタビュー「e-Jugg運営の裏側について」をご覧ください。


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