ジャグリングの映像作品インタビュー「みきとT」さん#2
先日のブログで紹介させていただいたジャグリングの映像作品について、制作者の「みきとT」さんにインタビューさせていただきました。
そのインタビューブログの後編になります。※前編はこちら
今回制作された映像作品へのこだわりと、今後の活動についてお話しいただきます。
何度でも楽しんでもらえる映像作品を目指して
ーこの作品のテーマはありますか。
toy:何度でも楽しんでもらえる内容、例えるなら噛めば噛むほど楽しめる作品にしたいと思っていました。
イラストの面白さ
ロケーションのきれいさ
歌詞のよさ
ジャグリングの技術
前回の繰り返しになりますが、頭のいろんなところで楽しめるような作品にしたいと思っていました。
ー少し気になったのですが、幽霊に足のあるタイミングがありますよね
toy:はい、ここでは過去のシーンを表しています。逆再生のエフェクトとセピアに移り変わることで、過去のシーンへと時が遡ることを表現しています。
みきやん:ちょうちょ結びのポイが出てくる2ヶ所は同じタイミングを表していて、この2ヶ所の時間軸は同じになります。
さりげないポイントですが、生前は影もあるんです。丁寧に仕上げたかったので一から作り直しました。
ー新緑や紅葉のシーンも素敵ですよね
みきやん:ありがとうございます。このシーンでは、見ての通りかもしれませんが、季節が変わっていくことと、昼と夜を繰り返すことで時間の経過を表現しています。
このシーンは非常に悩みました。もともとは時間が経つのを表現するために、カレンダーがめくられたり、そのカレンダーを逆再生にすることを考えていました。
ただ、ここではポイの中でもライトアップポイの光るという特性を使いたかったんです。そのために、1日の移り変わりを明暗で表現して、そして季節の変化を伝えるような形に変更しました。
実は、新緑や紅葉の葉などは自分でデザインしています。
ー個人的にはtoyさんの演技がシンプルで好きです
toy:ありがとうございます。
日常感を出したかったので、演技らしい演技はしないようにしました。
作品の最初では日常に悶々としている様子を出したかったのでそれを感じてもらえて嬉しいです。また、幽霊が出てくるのに突発感が欲しかったので、そこも見どころの1つです。
ー表情でも物語を伝えていらっしゃいましたよね
toy:それは気付いてもらって嬉しいです。実は、僕はあまり演技がうまいタイプではないんです。
そして、ポイをやるといつも楽しくなってしまうんです。なので、最初の憂鬱そうな表情ができたのは初めての良い経験でした。観客がいなかったのでできたんだと思います、いたらきっと笑っちゃう(笑)。
ーこの作品にタイトルはあるのでしょうか
toy:ありますよ、『幽霊になった君へ。』です。動画の概要欄に書いてあるこちらがそのままタイトルになります。
ーふたりで作品を作ってみていかがでしたか
みきやん:身近で頑張ってきた toyさんが評価されてほしいです。本当に多くのアニメーションをずっと描き続けていました。最終的には700枚も描き、そのうち使ったのは660枚という数になりました。
やったことある人にしか分からないと思いますが、同じ絵ばかりを見続けるのは本当に大変です。提出の直前ギリギリまでずっと頑張っていました。
toy:褒められて嬉しいです。
僕もみきやんのさりげない色調補正のエモさが素敵だと思います。みきやんの良さが評価されてほしい、こういう努力が埋もれてしまうのはもったいないですよね。
あと、この作品は彼女にとってはこの3年間の集大成だと思います。彼女はいかにジャグリングをうまく見せるのかを常に考えて、撮影係1本でやってきました。それが成就しているようで嬉しく思います。
みきやん:私はルーチンを今まで作ったことがなかったんです。前に「ルーチン作ったことがないのに偉そうなことを言うなよ」って言われたのが悔しくてずっと頭の中に引っかかっていました。
じゃあいつか映像でお前を超えてやるよ。みたいな思いはありましたね。なので、そういう風に褒めてもらえると救われます。
褒めてもらう機会というのは少なかったので、本当に嬉しかったです。
toy:みきやん、今泣かないでね
みきやん:大丈夫です!(笑)
今後の活動について
ー今後作っていきたい作品はありますか
toy:今は具体的にはありません。ただ、ストーリーを持った作品を作りたいというのは一つの信念なので、今後もドラマチックなことが起こる3~4分の作品を作りたいです。
みきやんがアニメーションを勉強したいと言っていたので、今後一緒にやっていくのも面白そうかな。大作じゃなくても良いのでやってみたいです。
みきやん:私は今まで商業的なものが得意でPVなどを作ってきました。それもあってストーリー性のあるものを作るのが苦手だったんです。
今回はtoyくんのアイデアをもらえたのでエフェクトなども作りやすかったです。今回の経験をもとに、ジャグリング界隈以外の人が見ても面白いと思う作品を作りたいです。
できればtoyくんと今後も作っていきたいですね。toy君がアイデアを出して編集は私がやるという今回のスタイルは好きです。
あとは、アニメーションと実写が合わさったことが評価されて嬉しいです。
これからは、動画自体を考察してもらえるような作品を作りたいかな。
toy:そうだね。
エモいの更に上みたいな感じ、"尊い" と感じられるものを作っていきたいです。
ージャグリング界に期待すること
toy:こんなことを言える立場ではないですが、アイデアが大事だと思うので、私は頭を使っていく作品に興味があります。
僕自身が誰にでも想像できる難しいことよりも、誰も想像できないことをやってみたい。「ちょっと天才だな」って思ってほしいところがあります。
音楽と小説、音楽と映像など、自分の中にある引き出しを組合せたら、他の人には作れない良い作品が作れると思います。そういう分野に興味のある人にはぜひそういう作品を作ってみてほしいです。
みきやん:私も偉そうなことを言える立場ではないので難しい質問ですね。映像の話をすると、e-Jugのようなイベントがもっと増えたら楽しいです。
JJFの時に映像イベントのチラシがあって応募したいと思いました。よく調べるとフェイクチラシで参加することはできませんでしたが…(笑)。
(注:フェイクチラシの話は下記金属豆さんのブログに記載されています。)
でも、そういう映像イベントに興味を持っている人は発表の場がないだけで、少なからずいるのではないかと思います。そして、映像を作る人が増えてほしいですね。それに伴って、映像作品を評価できる人も増えていくと嬉しいです。
あと、写真コンテストとかも増えてほしいですね。今年のWJDではイラストはあったのに写真はなかったので、そういったイベントもあれば更に盛り上がるのではないでしょうか。
ーさいごに、イラストや映像編集が得意な方へ一言お願いします
toy:僕はイラストが下手だけど、ジャグリング界にはイラストを使った映像作品はまだ少ないですよね。なぜやっていないのかというとジャグリングをやっているイラストレータが少ないからだと思います。
そういう場合には、タッグを組んでどんどん作品を作ってほしいです。ジャグリングとデザイナーが相互に良い影響を与えてほしい。
才能を持っている人はもっといると思います。後輩にもイラストがうまくて嫉妬する人もいますし、小説をうまく書いている人もいます。
そういう人は是非コラボしてみてほしいし、欲を言うのであればジャグリング外のコンペティションに出してほしいです。
みきやん:toy君の言うようにイラストや映像が得意な人は何人か集まって、それぞれの足りないところを補い合えば良いと思います。そうすればきっと "無敵" になれますよ。
私も映像編集が得意でそれ以外は苦手ですが、toyくんにアイデアやイラストをもらって完成させることができました。
何か作りたい人は周りの人に声をかけてみたらいいんじゃないかと思います。もちろん大変なこともあるかもしれませんが、本人も楽しめますし、きっと協力してくれる人にとっても良い経験になるのではないでしょうか。
私は映像の分野が好きなので、より多くのジャグリングの映像作品を見てみたいです。
ー素敵な話を聞かせていただきありがとうございました。これからも創作活動を頑張ってくださいね!
toy・みきやん:はい。本日はありがとうございました!
以上、「みきとT」さんへのインタビューでした。
歌詞コメント付きの動画も公開されましたので、是非こちらもご覧ください。
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