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はじめて行った夏のパリで気付いた、お洒落のヒント。
長文投稿は久々になってしまいましたが、決して闇営業で謹慎していたわけではありません。先月末にパリから戻ってきて、なんだかんだとほぼ無休に近いスケジュールでした。この間に右肩が慢性痛になってしまった。四十肩じゃないのかという意見に対しては厳重に抗議いたします。テープ回してないやろな。
こちらにもちょこっと投稿しましたが、6月23〜29日までパリに買い付けに行っておりました。実質4日というタイトなスケジュールでしたが、やはり行って良かったと思っています。
年始にも行ってるので、今年2度目。
実は年に2回行くのも夏に行くのも初めてでした。これまでも夏に行ってみたいと思っていたのですが、今回多くの買い付け依頼を頂いたので思い切って決断しました。
事前の情報から、結構暑そうだからシャツを多めに持っていこうかな〜くらいの感じで乗り込んでみたのですが、これが想像を絶する暑さ。太陽との距離確実に日本より近いんじゃないか。そりゃバカンスに逃げ出すよね、というのが身をもって体感できました。湿気がないので汗が蒸れないのは良かったけども。
暑い理由は気温だけじゃなく意外なところにも。
信じられないことにカフェが外以上に暑い。
冷房がないので35度なのに窓開けて凌ごうとする。それお年寄りが熱中症で倒れるやつ。NHKニュース9の特集で見たことあるシーンだから。そして飲み物もヌルい。冷える棚に入ってるのに出して30分経ったくらいヌルい。さらにその暑い中冷蔵しているバゲットサンドをわざわざ温めて出す。サンドイッチマンのコントかとツッコミたい衝動を抑えるのが大変でした。
そして、もうひとつ想像以上だったのが夜の長さ。
なんとこの写真で夜の22時。冬は18時には真っ暗なので、全く知らない世界が広がっていました。限られた滞在期間を長く楽しめるという意味ではオススメです。
パリジャンも遅くまでカフェで盛り上がっているので、街にもメトロにも人がたくさん。おかげで全然危ない感じはありませんでした。その代わりつい遅くまで散策してしまうので、気付いたらラストオーダーの時間を過ぎてディナー難民になりがちです。2回ほどやりました。
そして本題。夏に行ったことでパリジャン・パリジェンヌが素敵に見える理由がひとつ、はっきりしたんです。
それは、季節を楽しんでいること。
言い換えれば、季節ごとの景色や気分に合わせているんですね。
これは年明けに行った時のウィンドウ。
曇りが多くて寒く夜が訪れるのも早いので、基本的にブラックやブルーといった色調がメインです。薄暗い街並みとグレーの石壁石畳にはこの色味がマッチします。
一方、夏はというとカラッと晴れて暑い日差しに長い日中。石畳が照り返しを呼んで余計に暑い。出来るだけ涼しい格好をしようというのは当然ですよね。
そして市中に緑も多いので、黄色やオレンジといった色味が映える。そういった”背景”が合わさって、よりお洒落に見えているのだと気付きました。
そんなことを考えていた時、ふと以前フランスに詳しい方が「基本的にフランスは寒い国なんだよね」と言っていたのを思い出して。
寒い時期が長いからこそ、冬は防寒を兼ねてボリュームのある着こなしを楽しみ、夏はファッションも明るい色味や露出のある服を着て発散する。バカンスに行ったり思い切り楽しむ。そういうメリハリが付いているのでしょう。これは北ヨーロッパ全般かも知れないけど。
翻って日本は四季がハッキリしていることが特徴でしたが、最近はそれもだいぶあやしくなってきました。僕は欧米型の2シーズン制になってきているのでは、と数年前から考えています。もはやスプリングコートなんて着る時期ないもんね。
特に日本の夏は湿気が多くてただでさえムシムシするんだから、もっと涼しげなスタイルやコーディネート、爽やかな色味を着ていいと思うんです。
仕事の服装も自由化が進んでいます。
暑い時にはなるべく涼しいアイテム、目にも涼しいコーディネートがいいし、寒い時にも寒いなりのお洒落を楽しめばいい。
この”楽しむ余裕”、それこそが最大のポイントだと今回気付いたんです。
もちろん日々忙しいのは誰しもだし、服装にそこまで気を回せないのも分かる。だからこそ、季節に合わせて装いを楽しめる「遊び心」のある人が素敵に見えるのだと。
そして、その余裕をいかに作るかが生活の質を上げることにも繋がっていくはず。
冬はより寒く、夏はより暑くなっていくので、ファッションもメリハリを付けた方が街にも映え、印象にも残る。なにより自分自身が気分良く過ごせるから、気持ちに余裕が出てより魅力的に見えるでしょう。
その余裕が生活全般に波及して考え方やコミュケーションにもゆとりが生まれていく、能率や発想力も上がっていくと僕は考えています。ファッションを通じてそんな事も伝えていけたらなと。
結局、季節感を大事にするということは”季節を楽しむ”ということなんです。季節を目いっぱい楽しもうという姿勢が素敵に映るから、余裕を感じるから、僕らは欧米のブランドに憧れを持つのではないかなと思います。
僕も年中真っ黒なのを反省して彩り改革を始めたのですが、たまたま黒い服を着てた時にお客さまに会って「あんなこと言っといて黒いじゃないですか」と言われてしまいました。EXITのかねちーみたいな感じになったら納得してもらえるでしょうか。お後はhere we go。
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