「どうやったらお洒落になれますか?」
そんな質問をよく頂きます。どうやったら写真が上手くなりますか?とか料理が上手くなりますか?というのと一緒で、その人によってアプローチは変わってくるので一概には言えません。が、僕なりにひと言でまとめるとこうなります。
「トレンドに流されないで」
(真矢みきの声可)
普通はお洒落になるためにトレンドを追うんですよね。たぶん多くのファッション関係者はそう言うでしょう。でもそれだけが正解じゃない。
なぜなら、それは「トレンドに乗ってる人」=十把一絡げになるだけだから。
何年か前にチェック柄のシャツが流行ったことがあったんですが、渋谷の駅から徒歩10分くらいのビルへ向かう間にチェックシャツを着た女子に会う会う。10分間で8人くらい会いました。
果たして、これってお洒落なんでしょうか?
特別チェックが似合ってる訳じゃない人だって居るし。僕とか超絶似合いませんよチェックのネルシャツ。
よくセミナージプシーとか資格ジプシーなんて言ったりしますが、ファッションジプシーになってる人も多い。色々着てはみてるけど一向にしっくりこないみたいな。
なんで◯◯ジプシーになるかと言うと、結局自分の軸が立ってないからですよね。あれいいかも!でもこれもいいな!と移り気でいるから、やる気はあるんだろうけど結局どれも自分の核になっていない。
ファッションも同じなんですよ。
自分の好きなスタイルが定まってないから毎シーズンブレる。ちなみに、これ意外や何着ても似合っちゃうようなスレンダーな人や美男美女に多いんですよね。何でも着れちゃうから何となくで済ませてきて軸が育ってないケースが多い。
僕のような中肉中背、The日本男子はそうはいきません。なにしろマネキンの着ているものをそのまま着ると確実に同じビジュアルにならないから、自分の長所や短所と嫌でも向き合わなきゃいけない。その中から好きなスタイル、似合うスタイルが見えてくる、決まっていく。
日本ではトレンドの発信地、ということになってるヨーロッパ、中でもパリ。現地在住の方に「今パリでは何がトレンドなんですか?」と聞いてみたことがありますが、帰って来た答えは
「こっちの人はあんまりトレンドとか追わないから特になし!」
でした。これがリアルなパリジャンパリジェンヌの姿。横並び、人と一緒なんてゴメンという考え方ですね。
トレンドを知るな、ではありません。情報として知っておいた方がいいのは間違いない。その上で、自分のスタイルにトレンドを取り入れるかどうかの判断をしているんですね、欧米の人たちは。
日本は長らく横並び文化でしたが、近年は変わってきつつある。年功序列も崩れてきたし、働き方も企業勤め以外の色々な道が拓けてきた。これまで評価基準だった年齢や肩書きよりもビジュアルを含めた”生き方”への評価が急上昇してきています。
トレンドど真ん中はそれなりに引き上げてくれる一方、個性を消します。今日現在では、個性が消えるリスクの方が大きいんじゃないかな。少し時間は掛かるかも知れませんが、自分の個性・生き方を表現できるファッションを見つけた方が後々リターンがあります。
お洒落になるのにはもちろん多少のお金も必要です。でも、考え方ひとつだけでもかなり変わってきます。自分の個性とファッションについて考え直してみる。まずはプライスレスなところから始めてみてはどうでしょうか?
ちなみに、中肉中背はよく使うけど、小肉小背とか大肉大背とか言わないのはなぜだろう?なんてどうでもいい事を考えてしまった中肉中背中年男性でした。
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