球磨人吉蔵元アーカイブズ 2001〜05(4) 林酒造場
■鄙びた里の風情に、一同感嘆! 母屋も昔の風情が横溢!!
11:15。
あさり隊員運転のワゴンは、どんどん盆地の奧へと突き進む。車が止まったのは、まさに田園風景という言葉がぴったりの場所だった。
球磨郡湯前町の『林酒造場』さんである(タイトル画は林酒造場蔵前から見える風景)。
あげまき隊員「はぁ~、ほんと良いところだねぇ。この景色・・・」
かき隊員「気持いぃぃぃ~~~~\(^0^)/」
女性陣は回りの風景を見て、あまりの心地良さに狂喜している。男性陣はと言えば、
猛牛「『極楽』『極楽』『極楽』(~Q~;)」
けんじ隊員「ここも、まさに球磨焼酎、常圧の神髄、ですねぇ~~~、うむぅ」
この浅ましき堕地獄飲兵衛ぶり。極楽往生とはほんにほど遠い状態ではあるが、救済を求めての球磨遊行、最後の聖地がここである。
蔵をご案内いただいたのは、林展弘氏。
展弘氏は主に営業面をご担当されているそうだ。製造を担当されるはご兄弟で杜氏の林泰広氏。展弘氏にご案内していただいている間も、泰広氏が蔵の奧で忙しくかけずり回っていらした(下写真はセミナーにおける林泰広氏)。
画像を御覧いただくとおり、古式ゆかしい蔵の内部である。太い梁が歴史を物語るようだ。思うに今回の遊行、近代化された都市部の大手蔵から、伝統的な山間部の蔵へと、より始源へと遡っていくような、そんな流れである。
■陶酔とは『極楽』秘蔵古酒のことナリ! けんじ隊員、随喜の涙!
けんじ隊員が展弘氏に昨夜の“極楽20年物”について伺ってみた。
けんじ隊員の目に一瞬ギラリとした光彩が走ったのを、わては見逃さなかった・・・。
ドドドドドドドド!『極楽』の古酒とは!!
必殺飲兵衛集団、待ってましたとばかりに、展弘氏の後について、甕が設置されている別棟へと向かう。
並んでいる、並んでいる!この中にスヤスヤと長期就寝中の『極楽』があると思うだけで、喉がゴロニャ~~ン。
上画像は展弘氏が甕の封を開け、「本格焼酎クン・ショットグラス」に秘蔵古酒を注ぐのを見つめる、けんじ隊員の後ろ姿である。あえて顔が見えないアングルで撮影しているが、彼の「辛抱たまらん」という“気”が漂いまくっているのが御覧いただけよう。
まっさきにけんじ隊員が一口。彼はぐっと一瞬瞼を閉じると、顔を紅潮させ、目を見開いてぐっと飲み干す。言葉はない。目は遠く一点を見つめているような感じだ。まさに陶酔、昇天の表情!
トロンとした視線のけんじ隊員の手から、わてに杯が回る。一口いただく・・・。ただただ美味い! ん~~~~~ん。もう表現のしようがない! 言葉にも書けない旨さだとしか言いようがないのだ。ありがたや!
■過熱化したブームへの懸念と、商品化の模索についてかく語りき!
さて、この秘蔵古酒なんであるが、商品化を模索中ということである。
急激に過熱したブーム。それに対する懸念は、蔵元さんのみならず酒販店さんからもよく聞く話である。昨日の『焼酎楽園』小林編集長のご講演もそうだ。焼酎という酒の原点をもう一度、われわれ飲兵衛も見直してみる時期ではないかと思ふ。
そういう意味で、蔵元さんや酒販店さんとの対話は、極めて重要なフィールドワークだ。
さて、林酒造場さんの主力商品『極楽』。わてが住む筑前では、まだまだ店頭化が行き渡っていない。個人的には、行き渡って多くのファンを唸らせて欲しい、と願うのだ。しかしながら店頭化の拡大は、規模の拡大につながり、それはまた企業体質の変容を招来させることへと帰結する・・・やも知れぬ。
『極楽』秘蔵古酒を2杯腹に“秘蔵”しながら(ちゃっかり)、我々が地焼酎に求めるものと、その欲求が生む結果の、アンビヴァレントな連関について想いを致さざるを得なかったのである!
(了)
■2022年追記:公式サイトを拝見するに、蔵の風情はあまり変わっていないようにお見受けする。造りを担当する林泰広氏のお姿に過ぎし日々21年を感じる・・・といっても、私もクソなGGになったわけで。あっという間ですわ。