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現役・映画祭審査員が映画祭出品のコツをお教えします
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024が始まりました。私は短編部門の1次審査員を担当しています。今年の短編選出作は8本。バラエティーあふれる個性的なラインナップになったと自負しています。シネフィルからちょっと映画好きという人までが楽しめるはずです。
長編、短編の両方をやってきましたが、審査員はどう見ているのか、映画祭事務局のご迷惑にならない程度に、内情を明かしていきましょう。
応募作は年によって、ばらつきはありますが、短編部門の場合、150〜180本くらいはあるかと思います。ものすごく大変です。短編といっても、SKIPの場合、59分までが短編のカテゴリーなので、ほとんど長編といってもいい長尺の作品もあります。
途中、これは推薦に値しないと思っても、最後までは見ています。だから、ものすごく時間を取られます。これは、通常の仕事とは別にやっていますので、審査期間中はほかの仕事も圧迫します。毎回しんどい思いをしていますが、10〜20本に1本光る作品があるから、やめられないわけです。
そんな中で、いい映画の法則みたいなものも見えてきました。
それは、ズバリ、冒頭が魅力的か、どうか。ファーストショットが全体の印象を支配します。つかみがよければ、最後まで見てみようという気持ちになります。
そんなのは当たり前だと思われる方もいるでしょうけども、実際はそんなことはないです。ぜひ名画、傑作と呼ばれる作品のオープニングを研究して、映画を撮ってみてほしいです。見る方も、オープニングに注意してもらうと、映画がより面白く見られると思います。優れた映画なら、冒頭5分に、その映画のテーマのようなものが詰まっています。
カンヌ国際映画祭のマーケット試写では、映画バイヤーは冒頭15分を見て、買うか、買わないかを判断します。中にはまったく見ないで、買う人もいます。それが亡くなった叶井俊太郎さん。大ヒットした『アメリ』はホラーだと思いこんで買った。パッケージが決め手だったとか。つまり、最初の印象はそれくらい大事だということです。
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