入院思考#2 病院廊下にデザインがあれば
術後2日目からリハビリが始まった。内臓の動きを活発にする為らしい。
病室前の廊下を行ったり来たり……しかも左手首には点滴、お腹からはドレインチューブが露出しかつ、股間からお小水バッグにつながったチューブをぶら下げた点滴ポールを杖代わりにしている……。はたから見れば、ランウェイを彷徨うゾンビ🧟のようだったに違いない。それでも復帰を目指し、朝に夕に意外にもリハビリを真面目に繰り返した。廊下の往路約25メートル、往復で約50メートル….…体につながったチューブが全て外された8日目頃には、朝昼晩それぞれ1キロメートルの歩行を自分に科せていた。
もしこの廊下に距離の表示がデザインされていたら……しかも素敵に……。リハビリに目標が生まれて、やりがいを感じる人が増えると思う。更に距離をテーマにしたグラフィックを施せば、無機質な病院廊下が、患者の気持ちを前向きにする環境へと変貌するのではないか。自己の運動量を測定するデバイスは既に普及しているが、もし一般の歩道に距離の認識が可能なおしゃれなサイン計画が施されたら、ウォーキング人口が増えて地域活性に変化をもたらすばかりか、街の景観を変えることも可能だ。また、健康保険の財務的な崩壊はCOVID-19によって更に加速したが、ウォーキングによる健康促進は、その解決にも大いに寄与するだろう。
そんなことを考えながら、ひたすら病院廊下を歩いたおかげで現在は復帰しています。
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