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ゲームプランナーに必要なスキル…の前に


クリエイターである前に

このnoteでは「ゲームプランナーの育て方」について話していこうと思いますが、まず最初に話しておきたいのは「クリエイターである前に、まず社会人たれ」ということです。
この場合の「社会人」とは何かというと「会社という組織に所属し、チームでプロジェクトを完遂する役割を担う人」を仮定しています。
※そのため、今回の話は個人制作の人向けの話ではないです。
チームの力と、個人の力は異なります。自分一人だけが頑張ってもうまくいかなかったゼミのグループワーク、バイトの経験、思い出すことはないでしょうか。そのバイトやゼミの数倍、数十倍の人数の人と同じ方向を向いて作っていくのが大規模ゲーム開発です。
個人の力、言い換えるとクリエイターとしての力を身につけても限界があります。そこで必要なのがチームの力、多様な人々と仕事をしていく能力です。

社会人基礎力とは

じゃあ多様な人々と仕事をしていく能力ってなんだよ、というのが次のお話です。
見出しにしているのでわかると思いますが、それが「社会人基礎力」です。
社会人基礎力とは「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が提唱した概念です。
社会人基礎力だけでなく、人生100年時代に必要なスキル全般についての説明が公式サイトに添付されているパワーポイントに記載されているので、そのまま新卒の研修素材として人事部に使ってほしいほどの出来です。
ざっくり説明すると下記のような内容が書いてあります。

  • 社会人基礎力は3つの能力と12の能力要素から構成される

  • 3つの要素とは「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」

  • 「前に踏み出す力」(一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力)は以下の能力要素を含む

    • 主体性、働きかけ、実行力

  • 「考え抜く力」(疑問を持ち、考え抜く力)は以下の能力要素を含む

    • 課題発見力、計画力、想像力

  • 「チームで働く力」(多様な人々とともに、目標に向けて協力する力)は以下の能力要素を含む

    • 発信力、傾聴力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール

わたしが「はじめに」で書いた「ゲームクリエイター以外の部分で躓いている」人が抱えている問題は大部分がこの社会人基礎力の欠如に起因します。
経産省はこの社会人基礎力を社会人としての基盤能力、OSのようなものだと定義しています。基盤が安定していないとその上に乗っかる能力も伸びていきません。ゲームプランナーに必要な専門スキルのいくつかも社会人基礎力に含まれているので、なんとなくは伸びていくとは思うのですが、クリエイターとしてあろうとすることを優先すると、漏れてしまう能力があるというのも事実です。
特に自己研鑽という要素は、自己のスキルアップに終始しがちなのでチームで動く要素の研鑽がおざなりになりがちです。
ただ、それらも含めて「社会人基礎力」であるということをまずは意識してみるのが大事ではないかと思います。

まとめ

最後にまとめです。
クリエイターである前に、まず社会人たれ

特に、大規模開発に携わる、チームで働く環境にいる人には必須の考え方です。
育成をする人であれば、まずは「ゲームプランナー」ではなく「社会人」としての基盤ができているか、相手をしっかり見極めましょう。
若手社員であれば、焦って専門スキルだけを磨くのではなく「社会人基礎力」とは何かを知り、自分に欠けている基礎力を身につけましょう。

「ゲームプランナーの育て方」の話なので、「社会人基礎力」をどう鍛えていくかについてもこの後noteに書いていく予定です。

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