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【note限定】「子どもが夢を語るような“振り切れた気持ち”が大切」サイバーエージェント子会社社長が語る“挑戦と失敗”の日々


株式会社CyberOwl(以下、サイバーアウル)は、サイバーエージェントグループとして「挑戦できるカルチャー」を踏襲し、若手社員に積極的に挑戦の場を提供しています。

今回は代表取締役社長・田中啓太に、「若い時に挑戦することのメリット」や「挑戦から得られるもの」について聞きました。

田中 啓太:2012年4月に株式会社サイバーエージェントに入社。同年、グループ総会にて、サイバーエージェントグループ全体と、インターネット広告事業本部内のそれぞれで最優秀新人賞を受賞。同年10月にインターネット広告事業本部 マネージャーに昇格の翌月11月に、新卒にして株式会社CyberSS(現:CyberOwl)代表取締役社長就任する。

挑戦のなかの失敗は失敗でなく「経験」

――サイバーアウルでは、若い社員の挑戦を歓迎する風土があります。田中社長が考える若い時に挑戦することのメリットとはなんでしょうか?

1番は“リスクが少ない”ことです。

僕は、挑戦の9割以上が失敗すると思っているんです。でも若い時の失敗は会社としての損失も少ないですし、若ければ部下もいないし、最後は先輩がカバーしてくれるため本人にとってもリスクが少ないんですよね。

それなりに役職がある人だと、失敗した時の損失や、部下、家族など抱えているものも大きいですよね。それを考えると挑戦が億劫になってしまう。

でも、若い時にたくさん挑戦をしておけば、失敗した時の対処法の引き出しが多いので、役職をもった時にできる大きい挑戦に対する怖さみたいなものがなくなるんです。

だから、“場数を踏む”という意味でも、若いうちからやっておいたほうがいいんじゃないかなと思います。

――そのように考え始めたきっかけはありますか?

僕もサイバーエージェントでの内定者アルバイト時代から大きな案件に関わらせてもらっていました。ただ、入社してから3,4か月経ったころ、お取引先さまとのやり取り内で大きなミスをしたことがありました。内定者アルバイト時代も含めて1年ほど経っていたり、自分の得意分野だったこともあり、悪い意味で慣れや余裕がでてきてしまっていたんですね。

先輩から「どうなってるんだ!」と電話がかかってきて、翌日大慌てで出勤。さすがにめちゃくちゃ怒られましたが、最後は経験のある先輩が事態を収拾してくれたんですよね。

先輩も大変だったと思うのですが、今思えば会社や経験のある先輩という後ろ盾があったからこそ思い切って挑戦ができていたし、失敗が“経験”に変わったと思うんですよね。僕にとっても1番成長したなと思います、あの時の失敗が。

――挑戦は成功した時より失敗した時のほうが成長を感じられるものでしょうか?

上手くいっている時って周りからは称賛されるんですけど、自分自身はなにも成長しなかった気がするんですよね。逆に、失敗したところから這い上がった時のほうが「これは気を付けよう」とか、「やっぱりこういうところのツメが甘いな」とか、自分自身と向き合っていた気がします。

だから、自分自身の得意不得意な部分を知るきっかけにもなりますよね。自分が仕事の時どういうところで失敗しやすいのかわかっていると、僕で防げなくても誰かで防ぐことができます。

そういうのも経験のなかで蓄積していくので、若い時に挑戦して失敗することは大切なんじゃないかと。

大切なのは失敗後の“立て直し”。次の一手を繰り返し考える

――では、若い人が挑戦しやすい社内の風土作りをどのように努めていますか?

“挑戦しているなかでの失敗に対して怒らない”ことですかね。

たとえば、初めてマネージャーになった人の部署で何人か立て続けに辞めてしまったことがありました。その人は「せっかく採用してくれたのに申し訳ない」ってわざわざ謝りにきてくれたんですけど、僕は「しょうがないですよ。そういったことも経験です」とお伝えしました。

それよりも次にどうするか、が大事なんです。同じ理由で毎回社員が辞めていたらそういう時は怒ります。「同じことやってるじゃん、原因は君だよね?」って。

でも、真面目にチャレンジして真面目に向き合ったなかで失敗しているかどうかなんて、話を聞いていたり、目を見ていたりしたら大体わかるので。そのこと自体を咎めるというよりかは、次どうするかという話をしています。

――“大事なのは次にどうするか”そのようなマインドを得たきっかけはありますか?

これもサイバーエージェントの内定者アルバイトの時にトレーナーだった先輩の影響ですね。

その先輩から「この会社でどうなりたい?」と聞かれて、曖昧なことを言ったんですよ。そうしたら「この会社なら若手から経営者になれる環境があるのに、そんな中途半端な気持ちならやめて大企業に行ったら?本当にどうなりたいのかちゃんと考えなさい」って。

その時に、サイバーエージェントでは子どもが夢を語るような振り切れた気持ちが大切だなと感じたんです。例えば子どもって七夕の短冊とかに「将来野球選手になりたい」って素直に書きますよね。なれなかったらどうしようとか、そうならなかったら口だけって思われて恥ずかしいなどの無駄な気持ちなしに。

サイバーエージェントでは、子どもが七夕の短冊にって書きますよね、そんな気持ちが求められていたんです。

僕も子どもの時からずっと野球をやっていましたが、あまり身体が大きくないとか、いろいろなことを言い訳にして野球で1番になることは目指していませんでした。そこで諦めていたのが子ども時代。でも今ならどうやれば野球選手になれるかを考えることができます。

――それに気づいてからは、どのような行動をとりましたか?

改めて先輩に「まずはサイバーで子会社社長になって日本を代表する経営者になりたい」と話しに行きました。そしたら先輩から「本当にそうなれる素質をもっていると思うからちゃんと自分を信頼してやったほうがいいと思うよ」と、「そのなかで失敗したとしてもそこで終わりじゃない、そこから立て直してどうやって最後の目標までもっていくかそれが大切だ」と言っていただきました。

話は戻りますが、ビジネスに大切なのは目標を立てて、そこに対しての自分の能力とのギャップを考えた上で進めていくこと。それにはどれくらいの期間がかかって、その期間にどういう課題が出てきて、課題をどうやって解決できるかを考え、あとは最後まで動かせるかどうかだと思うんですよ。

だから社員に対しても挑戦に対して失敗を責めるのではなく次にどう動くか、そこを大切にしてあげなければいけないんです。

挑戦を経て“将来自分がやりたいことが選択できる能力”を身につける

――話を聞いていると、挑戦で得てほしいのは成功ではなく経験なのかなと思いました。

ほとんどの仕事は、ある程度論理的に話せたり思考力がついてくるとうまくいくんですが、途中で失敗をして最後まで動かせない人も結構いるんです。そのなかで最後の目標までもっていけるようになるためには、次にどうするかを考えて「軌道修正をやりまくる!」、これでしかないんですよね。

そのためには挑戦をすることで経験を重ね、その“軌道修正できる能力”がついてくればいろいろな仕事に対して魅力を感じられて、好きじゃない仕事も好きになってきたり、できる仕事の幅が広くなる。仕事の幅が広がれば、結婚や出産で変化が訪れた時にも必ず役に立つ。さらに将来やりたい仕事に手を出せると思うんですよ。

だから、20代、30代前半を挑戦することに時間を使ってもらえたら、気付いた時には“将来自分がやりたいことが選択できる能力”が身に付いていると思います。


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