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「産業」って何だ?②

昨日の続き。

相変わらず、
「仕事」と「趣味」について考える。

「あんたんとこの鶏肉、美味しいね」
と言ってもらえる人がいる。

それは「需要」があるということで、
「仕事」と呼び得るだろう。

*****

誰からも称賛を得られない音楽を
演っているだけでは
他者との関わりが無いので
「仕事」とは呼べないだろう。

******

無人島で生き残っていくために、
小屋を建て、水を確保し、
作物を作る。

これは原初的に考えると
「仕事」かも知れない。

******

では、空き家を借りて、
トントンカンカン、
毎日毎日リノベーションした日々は
何だったんだろう?

もちろん、木を切り倒し、材木にするわけではないし、
現代社会、誰かの所有する森で
勝手に木を切り倒すわけにもいかない。
木を切り倒すにしても、
誰かが作った「道具」が要る。

要するに
「お金はかかった」
ってことだ。

******

そして、
お金を得る仕事をすることもなく、
日々、家の修繕に明け暮れた。

「仕事」もしないで・・・。

******

何とか数年、
なんだかんだでお金は何とかしつつ、
家の修繕を終えた。

「仕事」が終わった。

******

そして、また悩む。

「仕事」がない・・・。

******

最初に戻る。

******

「あんたんとこの鶏肉、美味しいね」
と言ってもらえる養鶏農家さん。

誰からも称賛されないミュージシャン。

でも、本当はそんなことなく、
多少の称賛は得ている。
「サカナ君の音楽、好きだなぁ」
そう言ってくれる人が
少しながら、いる。

******

と、なると、
数々の批判を受けながらも、
効率の悪い、
コスパの悪い、
「これが良い」
と想ってるだけの養鶏を
しているだけの社長は
僕と変わらない。

僅かなファンがいても、
主流の「産業」に
参加するには及ばず。

*******

違いは何か?
「お金」を得る手段となり得るか。
ってことだ。

*******

いくら「鶏肉が美味しい」
と言われても、
振る舞ってばかりで、
売れなければ
「意味」というものが無い。

いくら「好い詩だね」
と言われても、
その称賛に
お金がついて来なければ
意味がない。

そんな現代社会。

******

そんな現代社会で
「意味」の無いことを、
何十年も続けている。

初期衝動後の何年、何十年かは
そこに現代の「意味」を見出すことに
必死になっていた。

「意味」を見出せず、
昔より、
ますます「意味」を見出せなくなっている。

******

「ミュージシャン」なら
その「意味」を見出せないことは
昔からあったかも知れない。

でも、
ついに最近は
「農家」ですら
「意味」を見出せない時代になってきた。

******

「意味」を考え直す時代が
やってきた。

それとも、
ちゃんと農家には
「意味」を補償すべきなのだろうか?

それならば、
僕の音楽にも
「意味」を補償してほしい。

それとも、
音楽に、
特に僕の音楽には
それほどの「意味」はなく、
「農業」には
大切な「意味」が
あるのだろうか?

******

まぁ、
有るのだと思う。

国家内で
食物が自給出来ず、
第一次産業が消えてしまうのは
由々しき自体だ。

そこらへんに転がっている
何も出来ない乞食なんて、
いなくなっても
誰も困らない。

******

そして、
「産業」って何だ?

と考える。

一次産業、二次産業、三次産業。
4次とか、6次とか言われるのは
あまりわかってないので割愛。

「産業」。
産むわざ
ごうかも知れない。

******

僕は昭和51年生まれ。

ギリギリ二次産業が栄えた日本の体感が
幼かったながら、残ってる。

「最近は都会的な
『第三次産業』が流行っている」

小学校、中学校で習った
社会の認識だ。

*******

時代が流れ、
歴史として、
まだまだ未熟ながら
「今」から俯瞰して見ると、
なんで二次産業が、
日本で栄えたのだろう?

それは、
工業製品を作れば
「売れた」からなんじゃないかと・・・。

「売れる、売れない」
という概念は、
「お金になる」という概念そのもので、
それは「金融」という
第三次産業の力に因るもの。

******

テレビ、洗濯機、冷蔵庫。
まぁ、もうイマドキ「テレビ」は置いといて、
洗濯機、冷蔵庫なんて、
こんな便利な物質はない。

でも、そのイノベーションのモチベーションは
「お金になるか、ならないか」だった。

実質、物質、工場や道具、労働者を確保するために
「お金」が機能する。

「お金」が機能するような社会を創った
「権力」が存在する。

時には暴力的に、
時には理知的に。

「発展」していった。
「進展」していった。
「先進国」と名乗った。

「そこ」を目指すのか、
「ここ」に留まるのか、
多くの命がされている。

******

「仕事」と「趣味」から
壮大な歴史観へ旅してしまった。

そして
「仕事」についてばかり
考えを述べたけど、
それほど「趣味」という言葉には
重きのない社会に感じたからだ。

人生に於いて
おもむきを味わうだけでは
前半で言っていた
いわゆる「意味」がない。

そんな趣味は、
余裕のある時、
空いた時間に、
勝手に楽しんでてくれたらいいから。

・・・なんて風潮だったけど、
ずいぶんこの風潮も
変わってきたように感じる。

*****

そして今、
僕らは
どんな風に景気を回復して、
発展して、進展しようとしているのか。

夜明け前の暗闇に灯りを灯して、
考え、noteを綴っている。

道は自ずと見えてくる。

夜明け前のような
始まる前のような
あの予感は一体
何だったんだろう?

いつも通りの日々が
崩れてゆくような
あの胸騒ぎは
何だったんだろう?

聞こえないふりで
今年も同じ花が咲く
よくもないわるくはない日々が
しあわせなんじゃないかと
思ってた

お迎えが来たような
旅立ちの寂しさは
逃れられない
ことだったんだろう

花束を胸に添えて
微笑む君に言った
「また逢おう」
間違ってなんかない

誰も居なくなったような
何もかもが終わってしまったような
祭りは終わり
風が吹き抜ける
踏み荒らされた土の上にも
芽が生える

誰も居なくなったような
何もかも失ってしまったような
どこに居ても
どこまで行っても
崩れない壁を前に
立ち尽くす

独りぼっちの旅
真っ暗な闇を行く
怖れと不安
間違っているのかな?

誰が知ってる?
誰が知ってる?
僕の命よ
導いておくれ

誰が知ってる?
目を閉じる
目を開く
なんだみんな
ここにいたんだね
なんだみんな
ここに居たんだね

トレインソング・平魚泳


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ウクレレ平魚泳
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