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モンスター社員の投資理由
はじめに
日本の企業で「モンスター社員」として働く人々、つまり、出世や評価にこだわらず、最低限の労力で効率的に働くスタイルの社員たちは意外と多いです。
しかし、モンスター社員であるがゆえに、将来の給料が伸びにくく、長期的な収入アップも期待できません。
そこで今回は、特にモンスター社員が投資する理由について、分かりやすく解説していきます。
1.給料上昇が見込めない
まず最初にモンスター社員としての働き方を選んだ場合、給料が上がりにくいという現実を理解しておく必要があります。(出世しても、僅かな昇給と大幅な仕事量UPですが…)
モンスター社員は、会社の評価制度にあまり影響されないポジションを取ります。評価や昇進を求めず、最低限の成果を上げることで、精神的な負担を抑え、働きやすい環境を整えるのです。
しかし、このような働き方では昇給が難しくなります。なぜなら、企業は通常、評価の高い人や昇進を求める人に対して報酬を増やし、モチベーションを高めようとするためです。つまり、モンスター社員は、この「評価制度の外」にいるため、給与の大幅な上昇が期待できないのです。
ここで重要になるのが、「じゃあ、どうやって資産を増やしていくのか?」という点です。給料が増えないなら、貯蓄や投資などの方法で自分の資産を増やしていく必要があります。
2.株主優先
次に、日本の株式会社という仕組みについて理解しておきましょう。
日本の株式会社は法律的に「株主の利益を最優先」にすることが求められています。
つまり、会社が利益を上げた場合、最終的にその利益はまず株主に還元されるのです。
従業員は利益が出た分だけボーナスや給料が増えることを期待するかもしれませんが、基本的にはまず株主が利益を享受する仕組みになっています。
また、最近では多くの企業が株主配当や自社株買いに注力するようになっています。
これは株主への利益還元を強化する施策であり、株主が会社の利益をより直接的に享受できるようになっているのです。
逆にいえば、従業員として働いているだけでは不利な立場に置かれる可能性が高いと言えるでしょう。
そこで、モンスター社員は「株主になる」という選択を取ることで、自分の利益を得られる立場に回ることが合理的と言えるのです。
3.実は「オトク」なのは⋯
株式会社の仕組みの中で最も「オトク」な立場にいるのは、実は「経営者」と「モンスター社員」だと考えています。
経営者は会社の意思決定権を持っており、会社が利益を上げれば自身の報酬に繋がります。
さらに経営者は自社株を保有していることが多いため、株価が上がれば個人の資産も増えるのです。
一方、モンスター社員は過剰な労力をかけずに、最低限の仕事で安定した給与を得ているため、仕事で生み出す価値が労働賃金より下回ることから、会社にとって赤字であり、オトクな存在です。
更にその余った時間やエネルギーを他のことに回し、投資に充てることで、効率的に資産形成に専念できます。
経営者や株主が利益を享受する仕組みを利用し、モンスター社員が株主になることで、会社の成長を自分の利益として享受できるようにするのが「オトク」な選択です。
4.「r > g」の法則
次に具体的に投資による効果について見ていきましょう。
ここで重要になるのが「r > g」の法則です。
4-1.「r > g」とは?
「r > g」とは、資本収益率(r)が経済成長率(g)を上回るという現象です。
この理論は、フランスの経済学者トマ・ピケティが提唱しました。
資産を持つ人が資産を持たない人よりも豊かになりやすい理由を示しており、株主が会社の成長を享受できる背景にある理論です。
4-2.rとgの具体的な数値
資本収益率(r):世界の株式市場の長期的な平均リターンは年5~7%ほどです。これは不動産や株式投資から得られる利益を指します。
経済成長率(g):一方で、日本のGDP成長率は近年1%以下に留まっています。日本経済全体の成長が緩やかなため、個人の給与も大幅には伸びにくい状況です。
これにより、資本収益率(5~7%)が経済成長率(1%以下)を上回っているため、給与上昇が期待できない状況においても、投資による資産形成が現実的な選択肢となります。
「r > g」、つまり投資リターンが経済成長率を上回る時代において、入金力がいかに重要であるか次章で説明します。
5.投資リターンを最大化するには「入金力」が必要
どれだけ高いリターンが期待できる投資先でも、元本が小さければ得られるリターンも小さくなります。
例えば、年利5%のリターンがあっても、10万円の投資なら5,000円しか増えません。
しかし、100万円なら5万円、1,000万円なら50万円と、元本が増えるほどリターンも大きくなります。
したがって、「入金力」を高めることが、資産形成を加速させる最大のポイントです。
5-1.少額でもコツコツと入金力を高める方法
入金力を一気に高めるのは難しいかもしれませんが、以下のポイントを押さえることで徐々に強化していけます。
支出の見直し:無駄な出費を削ることで、投資に回せる金額を増やす。
ポイントやキャッシュバックをフル活用:ポイント等を駆使することで現金消費を抑制して、少額でも投資に充てる資金を確保する。
無駄残の活用:ダラダラ残業することで投資資金を獲得する。こちらの過去記事も参考願います。
5-2.早めに入金力を鍛えることで「雪だるま式成長」
インデックス投資の基本は「複利の力」にあります。入金力を発揮して早めに元本を増やしておくと、リターンも比例して増えていきます。
若いうちから少額でも入金力を高める努力をすることで、30年後、40年後には大きな差が生まれます。
おわりに
「r > g」の時代、ただ投資をするだけでは不十分です。
投資リターンが高くても、元本が少なければ効果は薄れます。だからこそ、今こそ入金力を高め、資産形成を加速させることが求められています。
投資については新NISA(少額投資非課税制度)」が2024年から始まり、日本政府も個人が自分で資産を増やせるように投資を後押ししています。
新NISAは非課税枠が大幅に拡充され、更なる長期的な投資が可能な仕組みになっています。
新NISAについては、こちらの記事も参照願います。