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【エッセイ】炭酸

炭酸が得意じゃない。
苦手と言わないのは嫌いじゃないから。

炭酸の泡がプチプチ弾けるところを見るのも好きだし、ビールやシャンパンの贅沢な泡と色味は味わい深いし、コーラをグビグビ飲んで思いっきりゲップをしてなにごともなかったかのようにまたその後の時間を過ごせる人に憧れる。

ゲップが出ない体質なのだ。

炭酸を飲むと泡と水分はまず胃の中に溜まって
その後膨れる。

胃が炭酸と水分でいっぱいになって、熱いような苦しいような感覚になった後、
控えめな
ぐ…ぐぅ…。
みたいな音が喉から出る。

その音は炭酸を飲んでも飲まなくても出ることがある。
会議で自分の発表の場がある時の待ち時間や
緊張している相手との午後の会話の時。

あ、出ちゃうって言う感覚もあって
胃と喉を繋ぐ管から
ぐぐっと何かがあがってくるのはわかる。

それでいて自分で止めることや我慢することもできない。ゲップのように思いっきり出すこともできない。

コントロールできない上に
静かな空間では音が響くのでとてもイヤなのだけど、まあまあの頻度で出る。

お腹にガスが溜まってゲップみたいに一気に出せないから。
胃腸の疲れ。
理由はどうでもよくて何とかしたい。

しかも自分的にも全くスッキリしなくて
膨れた胃袋が凹んだなーと実感するわけでも
緊張が減るわけでもない。

不思議なからだ。
わたしのからだ。

わたしのからだは私と似ている。

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