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20241016 『桜の園』(ソロ)
忘れないうちに、と思って年内にチェーホフの『桜の園』をソロでやろうと決めた。年内の、かなり深い時期になるだろうけれどもとにかくやってみようと思っている。いろいろ候補はあったけれどもふとした瞬間に「ああこれは『桜の園』だ」と思ったので、たぶん大丈夫な気がしている。
▼なんとなく頭に浮かんでいたのは地点が和室で上演した『かもめ』の公演で、京都芸術センターの茶室で上演されていたそのイメージが、自分の中でも別の形で像を結びそうな感じがあった。季節的にも寒そうだし、なんか『桜の園』にはうってつけという気がしないでもない(寒さ対策はきちんとせねばならない)。
▼『桜の園』はいつも頭の片隅にずっとある。チェーホフがなんでこうまでして演劇(や文学)に携わる人の心をつかみ続けているのだろうと思うと不思議な気もするし、初めて読んだ時にはこんなに長い付き合いになる戯曲だとは思っていなかった。登場人物の名前がもうぜんぜん覚えられなくてわかったような、わからないような気持ちで行きつ戻りつしながら読んでいた。
▼『桜の園』の登場人物はみんなどこかぼんやりしている。白昼夢でも見るかのように靄を経て舞台上にいるようなイメージがある。ラネーフスカヤとアーニャはもうどうしようもなく実際的な手腕がなくて、それでいてお金に苦しんでいる。といってもそれは”苦しんでいるように見える”だけであって、なんかそれ自体が深刻にならない不思議さがある。
▼ソロで『桜の園』ってどうやってやるんだろう、と思うけれどもソロなのだからぜんぶ一人でやるよりしょうがない。ラネーフスカヤもアーニャもワーリャもシャルロッタもどうしよう、と思うけれどもまあどうにかなるものだと思っている。イメージのいくつかをつなげて、数十分から1時間くらいの上演時間になるのではないかな、と思っている。
▼神西訳の『桜の園』はこうして青空文庫にも載っている。いろいろな訳が出ているけれども、私は神西訳がいちばん合っている。
パブリックドメインになっているのも、とてもありがたい。自分にとって大切な仕事になる気がしている。大切に取り組みたい。
【『桜の園』ソロ・こごえ(仮) 公演概要】
日時:2024年12月末(数日間を予定) 毎日15:00開演
会場:新宿区内某所(ご来場頂ける方に個別でお知らせします)
上演時間(予定):45分+20分(お茶をしばく※任意)途中休憩あり
詳細は決まり次第随時note、Xでお知らせします。
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◆日本全国の73名の方々から535,000円の応援をいただき、資金調達が無事に成功しました。ありがとうございました!!
【平泳ぎ本店 クラウドファンディングについて】
「一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。
野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。」
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平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第8回公演
戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
2024年 5月17日(金)ー19日(日)
各日18時30分開演(17時45分受付開始・開場)
※雨天決行
於:戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡
https://g.co/kgs/Ksc4VNJ
【公演詳細】
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