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20250119 基金をつくりたい(唐突)

演劇を通じてかなえたいことがたくさんある。そのために先立つものとしてひとまず300万円集めたいのだけれど、その300万円はたとえば自分たちの公演のためにも必要な部分は遣うけれどもそれ以上に野外演劇祭のための基金をつくりたいのだ、という気持ちが大きい。若い人たちが演劇をやろうとするときに、チケット収入よりも助成金よりも先に必要な各種支払いを立て替えられるような、ある程度まとまった金額をプールしておきたいな、と思っている。

▼ただでさえちゃんとしていない演劇界で、支払いの遅れや迂闊な借金などで、演劇に関わる人たちの社会的な信用が揺らぐくらいなら、ある程度まとまったお金をプールしておいて、それを各種支払いに役立ててもらえないかな、と思っている。お金は助成金やチケット代が入ってきてから返してくれればよい。利子は要らない。「自分がやりたくてやっているのだからお金くらい自分で何とかしろ」という意見は、意味は分かるけれど聞き入れられない。若くて演劇がつくれる人たちにアルバイトばかりさせていたのではこの国の文化は早晩滅びる。演劇がつくれるのなら、演劇のために時間を遣ってもらった方がこの国の文化のためになる。私は趣味ではなくて文化政策の話をしている。

▼「演劇は食えない」し、その当たり前を変えようとした人もいるにはいるだろうけれどもそんなに数は多くない。そうして、演劇は食えないということはいつしか当たり前になって、誰も疑うことのない前提条件になってしまっているけれども、私はそうは思わない。すくなくともわたしが演劇をつくろうとしている戸山公園、早稲田、新宿の街ではもうすこし有機的に、いい条件で演劇をつくることのできる環境を整えたいと思っている。

▼これが、基金に集まる金額が数億円~10億円とかになってくると、その資産の運用だけで3%の利率だとしても年間3000万円くらいの利益を上げて、それを舞台芸術のために使えるようになる。何をするにしても先立つものは必要で、とにかくそこに芯になるお金を集めて、すこしずつ雪だるま式に増やしていくしかない。集めたお金をただ食いつぶすのではなくて、そこにかかわる人たちで丁寧に運用し、すこしずつ大きく、増やしていきたい。

▼劇場があっても劇団がない、というのがこの国の貧しい現状ではあるため、たとえば戸山公園という場所に野外演劇のための場所があるのなら、そこに所属する俳優も生み出したいなと思っている。イメージとしてはフットボールのクラブチーム、たとえばビジャ・レアルを想像してもらうのが一番いいと思う。「劇場があっても劇団がないのでは話になるまい。」である。劇場にいるのはまず第一に俳優で、どんな野外劇でも難なく通用する高い身体的、精神的水準をもった個性的な俳優が戸山ヶ原にウゴウゴしている。そうしてそこにいろんな劇作家や演出家や振付家を国内外から招いて作品をつくり、その作品が国内の他の劇場や、海外の劇場やフェスティバルに招聘され、街の誇りになる。

▼具体的な拠点となる場所を大切にしながらの演劇活動が、何にもまして大切だと思っている。たまたま今私たちの目の前には戸山公園という場所があって、そこに人やお金を集めて何かをできないかなと考えている。これもまだ個人の妄想であって、別に公式にそういう風にしようと働きかけてくれている政治家や都の職員の方がいるわけではない。でも日和って誰かが形にしてくれるのを待っていたのではもう遅いのだ、と思う。あっという間に10年20年、何も変わらないまま過ぎ去ってしまう。今ここから、目の前の何かを変えていきたい。そのために今年300万円、是が非でも集めねばならないのである。

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◆2024年の年末に『桜の園』ソロ・こごえという作品を上演しました。

◆2024年5月にはじめての野外劇を上演しました。
平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第8回公演
戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
2024年 5月17日(金)ー19日(日)
於:戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡
【公演詳細】

◆2024年5月、上記公演の実施にあたって平泳ぎ本店は戸山公園で野外劇を上演するための所作台(舞台床面)を製作するための資金調達に取り組み、日本全国の73名の方々から535,000円の応援をいただき無事に成功しました。ありがとうございました!

【平泳ぎ本店 クラウドファンディングについて】
「一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。
野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。」

◆本日もご清覧頂きありがとうございます。もしなにかしら興味深く感じていただけたら、ハートをタップして頂けると毎日書き続けるはげみになります!

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平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第9回公演
『(タイトル近日発表予定)』
2025年 初夏

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