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20250113 17,000km
漫画、アニメの『宇宙兄弟』の中に吾妻さんという宇宙飛行士がいて、そのキャラクターの「『38万キロ』くらいなら近所です」という台詞がとても好きなのだった。月よりももっと遠い場所へ、いつか人類は行くようになると思えば「『38万キロ』くらい」なのだな、としみじみ思う。
▼縁あってすこしずつ、本当に少しずつ演劇のことで日本の各地へ行くことが増えた。「君が演劇を続けていくなら、いつかはきっと行くことになる場所だよ」と大切な先輩から教えてもらった利賀村も、初めて行った時には遠くてびっくりした。東京から新幹線と在来線と「このまま谷に落ちるんじゃないか」というバスを乗り継いで6時間以上。愛知県から実家から東京の自宅までがだいたい3時間半くらいで、それ以上の移動というのは演劇以外でもあまりしたことがなかった。
▼豊岡も、はじめて連れて行ってもらった時には思っていたよりも遠い感じがしてびっくりしたのだった。新幹線で京都まで行って、そこから特急に乗り換えてさらに2時間半ほど。豊岡も城崎もCigarsさんや、y/nさんのお手伝いで新幹線で連れて行ってもらうことができたのは幸運だった。昨年初めて陸路でレンタカーを借りて行ってみたら、途中仮眠や観光を挟みつつ17時間くらいかかってしまって笑ってしまった。
▼東京から利賀村までが366km。東京から豊岡までが600km。新幹線や特急で寝てしまえば数字ほど大したことはなくて、利賀村は何度も通っているので強がって近所と言うこともできるけれど「『38万キロ』くらいなら近所です」に至るまでの道のりはまだまだ遠いなぁ、と思う。
▼利賀村には本当に世界中から演劇関係者がたくさん集まる。韓国、中国、台湾やシンガポール、オーストラリア、インドネシア、アメリカ、スペイン、ポルトガル、メキシコ、アルゼンチン、チリなど。日本国内の人でさえ「遠いからやだ」という利賀村に世界中から、なんなら地球の裏側からたくさんの人が「惚れて通えば千里も一里」とやってくるのは素朴にすごいな、と思う。
▼だからというわけでもないけれど、チリに行ってみたいなと思っているのだった。魂の片割れみたいな大切な友人が暮らしている街がある。劇場があり、美しい海がある。「同じ太平洋をシェアしているのだから、僕たちは何かを一緒にやるべきなんだよ」とやさしく語ってくれた彼を訪ねて、地球の裏側へ行ってみたい。地球の裏側へさえ行ってしまえば、フランスもドイツもメキシコも、台湾も中国も韓国も、地球上のどこだってもう近所と、言えそうな気がしている。
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◆2024年の年末に『桜の園』ソロ・こごえという作品を上演しました。
◆2024年5月にはじめての野外劇を上演しました。
平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第8回公演
戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
2024年 5月17日(金)ー19日(日)
於:戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡
【公演詳細】
◆2024年5月、上記公演の実施にあたって平泳ぎ本店は戸山公園で野外劇を上演するための所作台(舞台床面)を製作するための資金調達に取り組み、日本全国の73名の方々から535,000円の応援をいただき無事に成功しました。ありがとうございました!
【平泳ぎ本店 クラウドファンディングについて】
「一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。
野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。」
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◆私が主宰する劇団、平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co . では向こう10年の目標を支えて頂くためのメンバーシップ「かえるのおたま」(月額500円)をはじめました。
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平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第9回公演
『(タイトル近日発表予定)』
2025年 初夏
続報をお待ちください!
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