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20250201 原風景?

すこしずつ日本のいろんな街を旅させてもらうようになって、新しい街へ行くたびに「すごい!こんな街があるんだ」と感動するのと同時に自分が生まれ育った街がきわめて変哲もない、特徴らしい特徴もないただの街だったことに気が付いて、すこし気後れしたような気持ちになる。

▼生まれて育つ街は選べない。高校からはすこしずつ、どの学校で学びたいか選べたりもするけれど、中学までは基本的には地元にいるより仕方がない。せいぜい部活で隣のとなりの駅に試合にいったり、地元のTSUTAYAやサイゼリヤに行ったりしながら暇を持て余していた。

▼今は東京の中心にいて、たくさんの人たちに出会わせてもらってはいるけど、たまに地元に帰ってみると自分の根っこはきわめてふつうの街の出身の、きわめてふつうの人なのだなと思い出させてくれる。たまたまいろいろなめぐり合わせが重なって東京で好きに過ごさせてもらったことも、今思えば決して当たり前のことではない。

▼「自分が好きなことを学べなかったから、子どもたちにはやりたいと思うことを思う存分やらせたい」という母と、その母に反対せずにあたたかく見守ってくれる父とがいて、私は学びたいことを学ぶことが出来た。「就職しろ」だとか「進路はどうなっているんだ」とか、そんなことは一言も聞かれることなくここまでこられたのだって当たり前のことではない。

▼逆に私の姪たちにすれば、あまりにやくざなおじさんが身近にいたために「ああいう風にはなってはいけない」と、意識的にせよ無意識的にせよ変なプレッシャーになったのではないか、と思うとさすがに申し訳なかったりもする。養成所の頃の同期が卒業式のあと、渥美清さんの『男はつらいよ』の「俺がいたんじゃお嫁に行けぬ わかっちゃいるんだ妹よ」という歌詞に強く感情移入しながら号泣して歌っていた姿を忘れられずにいるけど、その気持ちもちょっとわかる。

▼「故郷に錦を飾る」なんてそんな大それたことは考えていないけど、演劇をやっていたって家族をきちんと大切に出来るくらいの余裕をつくらなくっちゃな、と強く思う。いつまでもアルバイトに追い回されていたのでは仕方がない。自分の道は自分で切り開かなければしょうがない。「こんど家族旅行に行こう!」と、めずらしくそんな約束をしてみた。おかくれになるにはまだ早い。家族にはいつまでも、元気でいてほしいと思う。

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◆2024年の年末に『桜の園』ソロ・こごえという作品を上演しました。

◆毎週水曜日に西早稲田近辺で舞台俳優のためのファンダメンタル(基礎トレーニング)を実施しています。

◆2024年5月にはじめての野外劇を上演しました。

平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第8回公演
戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
2024年 5月17日(金)ー19日(日)
於:戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡

【公演詳細】

◆2024年5月、上記公演の実施にあたって平泳ぎ本店は戸山公園で野外劇を上演するための所作台(舞台床面)を製作するための資金調達に取り組み、日本全国の73名の方々から535,000円の応援をいただき無事に成功しました。ありがとうございました!

【平泳ぎ本店 クラウドファンディングについて】

「一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。
野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。」

◆本日もご清覧頂きありがとうございます。もしなにかしら興味深く感じていただけたら、ハートをタップして頂けると毎日書き続けるはげみになります!

◆私が主宰する劇団、平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co . では向こう10年の目標を支えて頂くためのメンバーシップ「かえるのおたま」(月額500円)をはじめました。

メンバーシップ限定のコンテンツも多数お届け予定です。ワンコインでぜひ、新宿から世界へと繋がる私たちの演劇活動を応援していただければ幸いです。

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◆コメント欄も開放しています。気になることやご感想、ご質問などありましたらお気軽にコメント頂けると、とても励みになります。どうぞご自由にご利用ください。

平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第9回公演
『(タイトル近日発表予定)』
2025年 初夏
続報をお待ちください!

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