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20240515 大久保鷹さん、現る。

今回の野外劇の会場となる戸山公園で設営をしていたところ、58年前の1966年にまさにこの場所で唐十郎さんと一緒に野外劇を上演された俳優、大久保鷹さんがフラッと通りかかられたのでびっくりしてしまった。

▼劇団唐ゼミ☆の齋藤さん、元劇団員の熊野さんは慣れた様子で大久保さんとお話をされていたけれども、私のような者(大久保さんをふつうに観客として見ている側)からすれば「わあ、本物だあ!」というような気持ちだった。なにしろ数々の伝説(不忍池からタンスを背負って泳いで上がってきて、テントの上で生魚をかじっていたetc…)とともに多くの人々の記憶に鮮烈に刻まれているアングラ俳優その人なのだから。

▼まさに最近の唐十郎さんの通夜、告別式のお話から始まって、58年前のこの灰かぐら劇場での上演のときの様子、陸軍戸山学校の跡地であるこの一帯にまつわる逸話をいろいろと話してくれたのを直接聞くことできたのは僥倖だった。

▼中にはいろいろと差し支えるのでこうしたところにぜんぜん書けない話もあったものの、やっぱりたとえば「唐さんがあそこに立ってさ、『俺たちの人生を覗き見させてやるものか』って言ったんだよ!」とか、「そこに土方巽さんが座っててさ…」とか、「その隣にいたのが渋澤(龍彦)」とか、「戸山ハイツへ帰るサラリーマンを捕まえて『お前らは帰って〇〇でもしてろ!!!』ってアジったんだよ!!」という話をされるときの大久保さんは、月並みな言葉だけど同い年の演劇青年のようだった。

▼「魂は歳を取らないんだな」と、ちょっと思ったりした。たとえば私たちの中の誰か一人がうまく老いさらばえて同じようにこの戸山公園のこの広場で若い演劇青年に声をかけることができたとして、それは2082年のことである。そう考えるとものすごく、はるかな巡り合わせが起こったのだった。

▼ぜんぜん別件で、近所で演劇をされている流山児祥さんともたまたま最近お話をする機会に恵まれたりした。そうした先輩たちになんでだか「出会っておくように」と、誰かから言われているような気もするのだった。こまばアゴラ劇場が40年の歴史を終えて閉館するまさにその日に、私たちはあたらしい野外劇場の客席を組んでいた。昼下がりに野原に並べた客席がとても綺麗で、ちょっと涙が出そうになった。明日は舞台稽古である。

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「一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。
野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。」
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平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第8回公演
戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
2024年 5月17日(金)ー19日(日)
各日18時30分開演(17時45分受付開始・開場)
※雨天決行
於:戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡
https://g.co/kgs/Ksc4VNJ
【チケット】
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【公演詳細】
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