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20241023 ちまちまと手仕事

手を動かして何かの作業をしている時間が好きだ。それもただ自分であてどなく何かをするのではなくて、誰かからやり方を教わって、その正しい手順を守りながら何度も繰り返して、教わった通りにできるようになってから少しずつそれを自分なりに洗練して、綺麗かつ迅速にできるように整えていく。そんな一連の手続きが好きだ。

▼演劇にも音響・照明・舞台・衣装…といろいろなセクションがあって、俳優でもだいたい一つか二つのセクションのお手伝いをすることがお決まりになっている。もともとの興味から私は制作のお手伝いをすることが多いのだけれど、制作の一通りの仕事は先生というか、師匠みたいな人について教わったものだった。

▼かつてあった時間堂という劇団でプロデューサーを務めていた大森晴香さんという方にくっついて、ある時期制作助手をしていた。一口に「制作」と行ってもかなり広範な制作の種々の業務の中でも、実際の公演に向けて「誰かが地味に片付けていかなくてはいけない仕事」をいくつもお手伝いさせてもらいながら、そのやり方を教えてもらった。

▼最近は事前決済可能でチケットレスの公演も多く、QRコードや画面をタップすれば完了する便利なツールも多いけれども、10年ほど前、紙のチケットを受付に用意するのが主流だった時には「チケットカード」と呼ばれるお客様の名前とチケットの詳細が記された、ちっちゃな紙をチケットの半券にくっつけたりしていた。毎公演、本番前にちまちまとそのチケットカードをつくりながら、来場される観客の方を想像して準備するのが結構たのしかった。

▼小劇場なんか特に、受付はともするとその日たまたまお手伝いに来た方が訳もわからずにやっているなんてこともままあって、割と規模の大きな公演でもたまに受付がバタバタして崩壊しかけている様子を見かけたりすることもある。かくいう私もお手伝いした公演でなんでだか予約が数十件漏れていて客席の席数がぜんぜん足りなくなり、開演が15分ほど押してしまったことがあった。なんというか、当日の受付というのは直接観客の方と接する部分なので、受付がビシッとしていて安心感があるとそれだけで「おお」となったりもする(そんなところを気にしている人もそんなに多くないだろうけれども)。

▼今は何かとスマホやPC、タブレットでその気になれば完結することも多いけれども、なんかそれでも演劇の公演の場には多少の手仕事が残っていた方が実感があるというか、たしかな手応えを感じられていいような気もする。紙とペンに如くはなし。そんなこんなでいっ久しぶりにちょっと凝った紙のチケットでもつくってみようかななんて、思っていたりする。

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【平泳ぎ本店 クラウドファンディングについて】
「一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。
野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。」

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平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第8回公演
戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
2024年 5月17日(金)ー19日(日)
各日18時30分開演(17時45分受付開始・開場)
※雨天決行
於:戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡
https://g.co/kgs/Ksc4VNJ
【公演詳細】

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