20240820 とり、むし、おさかな
「鳥の目、虫の目、魚の目」という話があって、てっきり「マグロの目からみたら築地市場は地獄」みたいな話かと思ったらどうやらそういう話ではなさそうだった(経営の視点から物事を細部からみたり俯瞰したり流れを読んだり、ということのようだった)。
▼もし私がマグロ(に限らず魚類)だったとして、築地市場を見たらゲロを吐くと思う。身内の死体が煌びやかにディスプレイされて、それを嬉々として買って食べようとする者たちが集まる場所、なんて想像しただけでおぞましい。まだ水族館の方が人権(というか魚権)的な見地からみていささかの問題があったとしても、まだ納得がいく気がする。
▼あるいは鳥の目から見たら、自分たちの身体がバラバラに切り刻まれてハーブなどを擦り込まれ、いい感じのフレーバーをまとわされた上で油で揚げられる。店頭ではお客が店員に希望の部位を伝えたりしていて、骨の多くてパサパサなアバラなどの部位は不人気部位として敬遠されるような場所なんてにわかに信じられないと思う。
▼コマーシャルでは芸能人が素手でその肉を掴んで美味そうに喰って、あまつさえその指を舐め回したりして機嫌よさそうにしている。フィンガーリッキングッドじゃねえんだよ外道が、と、私がひよこなら白髪メガネのジジイを憎々しげに見つめながら思うだろう。鳥(というか鶏)の目から見たらケンタッキーなんか文字通り親の敵だろうなと思う。
▼そうしてまた、同族のことを効率よくまとめて殺傷するためのガスを日夜開発しているフマキラー以下の殺虫剤メーカーなんて、自分が蚊ならおよそ許すことができないだろうなとも思う。ナチスドイツもかくやというような蛮行であって、殺した虫の供養なんて偽善じみた真似はしなくていいからさっさと殺虫剤の製造、流通をすべてやめるようにと訴えたい。
▼人間以外のものの目から私たちの社会を見つめたら、なにもかもがおぞましく見えてしまうにちがいない。そうそう都合よく経営のことを考えるのに虫や鳥や魚の目を借りられると思うのが人間という存在の傲慢さの表れなのだと思う。当事者(鳥、虫、魚たち)からすれば散々殺したりとって喰ったりしながらその目を通じてうまいこと言ってんじゃねえ、と思って憤慨してしまうだろう。うどんのスープにダイブした虫の目から見た自分の顔を、想像してみたりする。
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平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第8回公演
戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
2024年 5月17日(金)ー19日(日)
各日18時30分開演(17時45分受付開始・開場)
※雨天決行
於:戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡
https://g.co/kgs/Ksc4VNJ
【チケット】
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【公演詳細】
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