![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157538157/rectangle_large_type_2_98d049ac3e8c28e7e78fdf3124746c20.jpg?width=1200)
「小さな家」への憧れ
夫婦2人暮らし。
一般的に家族2人だと50㎡の大きさが
ちょうど良いとされています。
我が家は40㎡と少し小さめ。
ですが、さらに『小さな家』に住みたい
という気持ちが止まりません。
「大きな家に住みたい」
という方はとても多いと思います。
ですが私には『小さな家』の方が
はるかに魅力的なのです。
それはなぜか。
単純に「心地が良い」と感じる広さだからです。
『小さな家』に惹かれ始めたのは、
20歳のころ。
その当時、大学で建築を学んでいました。
「どんな空間が美しく心地が良いのか」
そんなことを日々考えていく中で
20日間ほどヨーロッパへ研修へ行くこととなりました。
その旅の中で、マルセイユにある
建築家ル・コルビジェのユニテ・ダビタシオンに
宿泊する機会がありました。
18階建ての集合住宅には、
この建物だけで一つの都市になるよう
住居だけでなく、
パン屋や八百屋といった商店から、
保育園、体育館、郵便局、ホテルなど、
ここだけで暮らしが完結できるよう
設計されています。
住居スペースは、
戦後の中低所得者が暮らすことを想定されたため
海外の住居とは思えないほど
小さめのスケール。
もちろん私が泊まったホテルの一室も狭く、
シャワー、ベットなど
必要最低限の空間と家具しかありません。
しかし、この狭さがなんとも心地よく、
相部屋になった友人と
夜遅くまでゆっくり語る時間は
とてもかけがえのないものでした。
まるで暖炉の火を眺めているような
そんな穏やかさと心地よさがありました。
「小さな空間は心地良い。」
そのことが頭から離れず
帰国後から『小さな家』について
調べ始めるようになりました。
図面をみたり、実際に住居や別荘、
ツリーハウスに見にいったり。
どの建築も緻密に計算された心地よさがあり、
家具一つの配置まで
建築家の思想を感じる空間でした。
そんな日々の中で、
さらに小さな家に興味が
高まることがありました。
約100×200cm、天井が120cmほどの
実家の自室のロフトに
シングルベットを運ぶことにしたのです。
思い立った理由は
勉強をする時に同じ空間にベットがあると
眠りの誘惑に勝てないことがあるため、
寝室と距離をとりたくて、
空間をわけたかったのです。
機能としては眠ることしかできない空間は
驚いたことに、入るだけで安心でき、
そして短い時間でも
熟睡することができたのです。
寝る事に特化したこの空間は
まるで動物の住処のようで、
自分を守ってくれる場所。
そして昔憧れた、
秘密基地のようでもありました。
そんな体験もあり、
ますます小さな空間や家が好きになりました。
小さな家に住むためには、
小さな持ち物で。
心地よく暮らすには、
心地よい道具をつかう。
そんなルールが自分の中で生まれ、
インテリアや暮らしの道具に興味が生まれ、
今の暮らしのバイヤーという
仕事につながっていきます。
建築という世界を離れてからも
『小さな家』への憧れは
今もずっと止まりません。
「小さな家で小さく暮らす」
これは私自身の人生のテーマであり、
誰かに伝えていきたい
住文化なのかもしれません。
いつか家を建ててみたいとも思いますが
マンションの一室でも
家具のレイアウトを変えるだけで
心地の良い小さな暮らしはできます。
ぜひ一緒に心地の良い暮らしをしていきませんか。