データ分析のこつ。施策につなげるための3つのテクニック。
GoogleAnalytics、Google 広告。ウェブマーケに関わっていると定量的かつ時系列に連なるデータの分析機会は多々。こんなときに使うテクニックを3つまとめました。5分で読めます、お気軽にどうぞ。
シーンA:異常や課題がないか、全体をザクっと調べる健康診断的な分析
シーンB:仮説や実施済み施策があり、ピンポイントに検証する為の分析
今回はシーンAで使える分析手法です。異常や課題がないかを調べ、必要に応じて対策をする、そんなサイトの健康診断に活用ください。
最初に:分析する箇所を2つの視点で選ぶ
まずは分析する箇所を選ぶための優先順位つけ。ひとつめの視点は量の多さです。このケースではどちらのページを先に修正しますか?
・毎日1000人が見てくれているページ
・毎日10人にしか見られていないページ
より多くの方が見ているページから修正した方がよさそうです。分析する前に、量の多い順にならべて優先度をつける。ひとつめの鉄則です。
ふたつ目の視点は施策の実行難易度。以下のケースではどちらが実現しやすいと考えますか?
・直帰率50%のページを30%pt改善して20%に
・直帰率90%のページを30%pt改善して60%に
断然、後者が簡単ですよね。施策実行が容易ということは、費用対効果も高くなりやすいと言えます。普通のものを頑張ってよくするのではなく、悪いものを少しの労力で普通レベルに引き上げるのが先、ふたつめの鉄則です。(それができてからキラーページを徹底的に磨きあげてください。)
<優先順位のつけ方>
・より量が多い所=改善時のインパクトが強い
・より質が悪い所=改善を低コストで実現できる
このような視点で分析するべき箇所を見つけ優先順位をつける、ここからはじめてみましょう。では本題です。
①分析の順番▶︎マクロからミクロへ絞る
②評価の基準▶︎過去データを比較対象に
③傾向の把握▶︎時系列でトレンド可視化
テクニック①大きな視点から小さな視点へ絞る
知らない街で目的地を探すシーンを想像してください。最初は大きな地図でおおまかな方角を把握。そして地図を絞り込んでいき、進む道順を決めていくことと思います。このように大きな視点で全体を把握してから絞り込むという方法は、データ解析にも有効です。
10件の注文獲得に貢献したリスティング広告の出稿キーワードがあるとします。大きな視点から把握するというのは、全体で50件の注文が獲得できているのか、それとも500件の注文が獲得できているのかを先に掴むということです。
注文10件 (サイト全体での注文数は50件)
注文10件 (サイト全体での注文数は500件)
前提が違うと同じ注文数10件というデータが違って見えます。50件のうちの10件であれば、総注文数の2割に貢献する主要キーワード。入札単価調整や広告文のテスト、複合キーワード拡充など、最適化を進める優先度は高めと判断できます。
500件のうちの10件という場合であれば、ひとまず静観。もっと影響が強そうな他の部分を探すことになるでしょう。大きな視点で全体をザックリと把握し、その上で細かな部分を追いかける、この順番を守るだけで施策につながる気づきにグッと近づきます。
テクニック②過去データと比較する
『今週は30件の注文が獲得できた』
この事実だけだと、良いのか悪いのか意味付けができません。過去の同期間と比べることにより、今週の注文件数30件が良いのか悪いのかを判断できるようになります。
例を出します。
四月全体の売上高を集計したら、感覚的に悪かった。そこで前月である三月のデータと比較すると四月に入って大きく落ち込んでいるとわかりました。過去と比較すると感覚的なものを、事実にもとづいて解釈できるようになります。
さらに一年前の四月のデータを見てみます。すると今年と同様な傾向として三月から四月にかけて売上高が下がっていることも確認できました。四月の減少は今年に限ったことではなくて毎年のことだと推測できます。
来年の四月に季節変動を受けないためにはどんな打ち手があるのか。
過去データと比較することにより、未来につながる施策を考えることができるようになりました。
テクニック③時系列に並べて傾向を確認
一日辺りのサイト訪問者数が約1000人のサイト。先月は800人だった。先々月は700人だった。時系列に並べてみたら、右肩上がりで増えていることが判明しました。どんな傾向にあるかによって、打つべき施策は変わります。
右肩上がり ▶︎ 横ばいにトレンド変換するまでは現施策を継続
横ばい傾向 ▶︎ 新しい施策を追加で実施する
右肩下がり ▶︎ 過去とは違う施策実施、撤退、損切りも視野に
点データと点データをつないで線にして、方向性を確認してみましょう。順調に推移していた右肩上がりのトレンドが横這いになった、このような変わり目に何が起こったのかを把握できれば、施策が見つかります。
自社要因であるホームページのリニューアルや、ウェブ広告の取りやめなど、思い当たる節をさがしてみましょう。外部要因であるライバルの出現やSEOでの検索順位の低下、法律改正、メディア掲載などなかったかを調べましょう。
これらを見つけるのが時系列で分析するというテクニックであり、要因が見つかれば対策が立てられます。
まとめ
【量が多い】【質の悪い】これら視点で分析箇所を決めましょう。
そして今回お伝えした3つの視点での分析です。
1.大きな視点から小さな視点という順番で分析
2.過去のデータと同期間で区切って比較する
3.データをトレンドで把握して方向性を掴む
補足)公開後にいただいたフィードバック
分析は目的ではありません。改善箇所を探して施策実行するための手段です。サイト修正や集客改善に活かすため、データを分析していきましょう。roughさん、気づきをありがとうございます。
分析で気づいたポイントや実施施策は、日付とセットでスプレッドシート!関係者間で共有しておけばモノゴトがスムーズに進みます。改善ログにもなって引き継ぎ時も便利。mさん、補足ありがとうございます。