【洋服をゴミから資源に】
今日は「サーキュラーコットンファクトリー」取り組みをお話しします。
今、世界のゴミの14%が繊維のゴミであるという実情をなんとかしなければいけないということでできたプロジェクトなんですね。
日本では年間およそ30億枚の洋服が作られています。でもその半数以上が新品のままで廃棄されているという現実があるんです。また工場で洋服を作る過程でも繊維のゴミが発生しているにもかかわらず、繊維の廃棄物を繊維に再生するリサイクル率は17.5%と、とても低い状況なんです。そこで繊維を紙にすることに着目したんです。
紙はリサイクル率が高いだけでなく、様々な方が様々な業種で、使いますよね。ペーパーレスと言われていても、まだ、大切な人へのメッセージとかいろんなところで紙が必要とされています。
だとしたら紙を使って、さらにその紙をリサイクルしていく。そしてまた使っていくことで循環というものが生まれるんですよね。繊維を紙にする。そして循環していく。それがサーキュラーコットンファクトリーです。「洋服をゴミから資源に」捨ててしまったらただのゴミなんですけれども、それを紙にして活用すれば資源になるんですね。
代表理事はオーガニックコットンの母と言われる株式会社アバンティーを設立した渡邊千恵子です。
そして中島正樹。45Rと言うアパレルの会社なんですけれども、この会社は、売れ残りを出さないという取り組みをもう何十年も続けている会社です。
そしてもう1人鈴木素。彼は生地を作っているんですけれども、カバロスと言うオリジナルの多機能快適素材を開発しました。汚れにくい、すぐ乾くなど、多機能な生地。サスティナブルで地球にやさしい生地です。
そして4人めは、福島治。彼は社会課題をデザインで解決すると言うふうに取り組みをしている人です。この4人が一緒になって始めたのがサーキュラーコットンファクトリー。
9月9日に記者発表をしました。その時に一緒に登壇してくださったのはミナペルホネンの皆川明さん。100年続く服。100年続く活動をというふうに取り組んでいるデザイナーです。
そして日本郵政株式会社の増田社長。日本郵便がこのCCFのパートナーになって下さいました。私たちが考えるには、郵便局は日本中にあるので、おうちで残っている衣類の回収を共にできないかなとか、あるいははがきを作っている会社なので、一緒に温かみのある紙が作れないかなぁとかそんなことも考えています。
和菓子の榮太樓總本鋪は、作ったお菓子を紙で包んで、それを紙袋に入れて、それを段ボールに入れて配送する、とにかく紙をたくさん使っている。紙について、しっかり考えていきたいとおっしゃっていました。
そしてファッション業界のファッションジャーナリスト生駒芳子さんはファッション業界の現状について。
新戸部学園の山藤先生は、元々地球環境に関する教育をされている方なので、学生たちと一緒に考えていきたいとおっしゃいました。
名古屋のプロジェクトではタキヒヨーという名古屋のアパレル商社が一緒に取り組むと言う姿勢を見せてくれました。
また、久遠チョコレート。働いている人の中には障害者がいたり、子育て中のママ、介護をしている人たち、そして障害児を持つ親御さん、LGBTQなど、様々な立場の人たちが仕事をしているチョコレート屋さんです。それぞれの人たちが「こういうもんだ」とあきらめるのではなく、自分が描きたい未来のために、もがきながら少しでもいいから進んでいくんだと、努力をしているという話をしてくれました。そして彼がどうしてこのCCFに関わったのかというと、地球のゴミの話を聞いて私たちが住む地球はどうなってしまうのかと、危機感を感じた。チョコレートを包む紙など、紙をたくさん使っている業界として何か取り組める事は無いか、一緒にやっていきたいと言ってくださいました。
CCFの活動と言うのは洋服のごみを資源にするというものなので、アパレルとかシーツとか、繊維を扱う人たちが関わる、もちろんそれが中心なのかもしれないんですが、それだけではなくて本当に様々な業種の方たちが自分事として関われるプロジェクトなんだ、ということがよくわかりました。
そのパートナーのお一人、お医者様が、ガンは2人に1人がかかる病気。だからしょうがない、ではなくて、何か生活や食べ物を変えていけば変わるんじゃないかと取り組んでいます。その食べ物と言うのは地球が生み出すもの。食べ物ができる土や水、そういったものは環境問題が大きく関係する。そこに関わるのであればCCFの活動も一緒にやりたいと言うふうにおっしゃいました。
印刷業界も然りです。
紙というのは、様々な人たちが関わるものなので、いろんな業種の方が自分事としてこのCCFの活動を捉えてくださいました。繊維をどうやって集めていくのか、綿だけでなく、化繊なども紙にする技術を開発しています。これらがどうやったら広がっていくのか、これからどんどんどんどんパートナーの人たちと考えていきたいなと思っています