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DSCL METHOD CARDS 「REAL EXPERIENCE -現実体験-」 #06

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Cf. 6C MODEL:DESIGN SCHOOL KOLDING, 2014

WHAT:このメソッドは何?

「REAL EXPERIENCE -現実体験-」とは、実際の現場に行き、それらを自分で体験することです。百聞は一見にしかず。自分で体験することで得られる情報は、ひとつの事実であり、その解像度も全く異なります。

WHY:何のために?

・実体験を通して、新しい気づきをえるため

HOW:どうやるの?

1:旅行者のような気持ちになって、現場にいく
2:視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の5感を活用して、すべての出来事を楽しむ
3:気になったこと、気づいたことは、写真や文字で残す
4:調査後、Facts(事実)とFindings(発見)を分ける

参照文献

Soren Kierkegaard, 1859, in "On My Works as an Author," second paragraph, chapter 1, A, §2

P60|デザイン・エスノグラフィ
P124|参与観察(参加型オブザベーション)
P160|シミュレーション・エクササイズ

IDEO Method Cards
・Rapid Ethnography
・Empathy Tools
・Try It Yourself

解説

「REAL EXPERIENCE -現実体験-」は、プロジェクトの対象となる現場に足を運び、自分自身で体験することです。デスクトップリサーチで得られる情報は、既に形式知化された二次情報となります。ユーザーの声を一次情報とするならば、この実体験の情報は零次情報であり、最も解像度が高い情報となります。悶々とプロジェクトの目的設定で悩んでいる場合は、さっさと現場に行くことをオススメします。特に全く自分の人生で接点がなかったような対象をデザインしなければならない場合は、効果が現れやすいです。

1:旅行者のような気持ちになって、現場にいく
👉 はじめて訪れる海外旅行では、すべてが未知化され、好奇心がひらき、情報感度が上がります。このような気持ちになって現場に行き、何よりもそこでおこることに楽しみ、興味を持つことが大切です。

2:身体を活用して、すべての出来事を楽しむ
👉 例えば、BtoBビジネスであれば、クライアント先で業務体験をすることで、実体験することができます。

3:気になったこと、気づいたことは、写真や文字で残す
👉 人により、やり方は色々ありますが、僕は自分宛にSlackを送ります。また、気になったことはスマートフォンで即座に撮影するのですが、日本のスマートフォンは、音がなり不向きなので、海外販売のものを利用しています。

実体験

4:調査後、Facts(事実)とFindings(発見)を分ける
👉 このFactsとFindingsの仕分けが、リサーチをしている中でつまずきやすいポイントです。多くの場合、現場でメモした内容は混ざっています。困ったときは、そのメモを見ながら、5W1Hで分ける(Facts)。そこから大事なところにアンダーラインを引く。そして、なぜアンダーラインを引いたのか?その理由を書く。その理由がFindingsとなります。

また、「実践したこと(実体験したこと):目に見える観点」とその結果、「起きたこと(感じたこと):目に見えない観点」で分けたりします。

7月のWSでつくられた「しんぶん」を黙読し、そこに書かれた看護師の体験を知った。その後、看護師は読んだ感想を紙に書き、順番に発表し、全員がそれを聴いた。これが実践したこと。看護師は、仕事の意味と価値を再認できるという自信が生まれた。これが起きたこと。です。

体験しながら、もうひとつオススメの情報を集める手段があります。それは、現地の広告やパンフレット、ユーザーの家に訪問するならば、冷蔵後に貼ってあるチラシなどを収集することです。広告、パンフレット、チラシなどには、その現場にしか表出しないメッセージが書かれています。試しに、渋谷と銀座に置かれているチラシを集めてみてください。同じ東京の生活者として括っていた人が全く異なることに気づくと思います。

このように、現地に行かなければ分からない、取得できない情報は多く、そこで表現されている細部に注目することで、新しい気づきを得ることができます。

DSCL METHOD CARDSについて

DSCL METHOD CARDSは「デザインおばけ」が解説する、誰もがデザインの力を使えるようになることを目指したメソッドカードです。メソッドを読んで学ぶのではなく、絵で見て楽しんで、その意図を掴む。その見立ての役割として「デザインおばけ」が存在します。

DSCL METHOD CARDSは、何をするべきか(Doing)を1コマで描き、直感的に伝えます。「私でもできるかも」と感じ、「やってみたい」から出発する、デザインの道しるべです。

リサーチ・文章:平野友規
https://twitter.com/hiranotomoki

企画・イラスト:大竹沙織
https://twitter.com/otakesaori

制作:株式会社デスケル
https://dscl.jp/




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