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2028年の社会と渋谷とデザイナーの生活を妄想してみる

2028年4月1日 東京 渋谷。

朝起きると、昨夜セットした「Adobe AI」による、「渋谷区の住民サービスのスマホアプリ」の新規画面のパターン検討が終わっていた。それを確認するとすぐに、今度は渋谷区の銭湯キャンペーンのバナーの展開案を「Adobe AI」に頼んだ。

「OK, Adobe バナー量産しといて!」

バルミューダのコーヒーメーカーで入れたコーヒーを飲みながら、身支度を整え、会社に向かった。ちょっと前まで、連日徹夜して、会社に泊まっていたのが、嘘のようだ。

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この10年で、やっと「マイナンバー」「スマートフォン」「銀行口座」「国民保険」がつながり、面倒くさい作業は自動化された。確定申告はもちろん、現金で買い物をすることや、定期を出すこともなくなった。

駅からは改札が消え、乗車アプリを起動するだけで、すべての交通機関の乗り降りが可能となった。病院では、会計の待ち時間が消え、保険証はスマホの中に入り、全ての診療履歴は、スマホで確認する。

社会システムが透明化され、公共交通の支払い、納税から罰金までが自動引落しとなった。監視システムで補足された罰則行為は、自動で引き落とされる。後日、その通知が直接アプリに届く。年金の未納・滞納は、不可能にちかい。

透明化された社会システムによって、税金の使い道は注目される。『中学生でも分かる、税金の使いみちとその効果レポート』のインフォグラフィックスのコンテンツは、大人気だ。これのおかけで、わけの分からない税金の使いみちは消えた。

10年前の図式化やグラレコのムーブメントが、このような繋がりを出すとは、想像もしなかった。選挙も分かりやすくなり、政治家が「言ったこと」と「やったこと」は、図解され、公約の達成度は数字で一覧できる。

渋谷の街からは、全てのATMが撤去され、海外旅行者向けの「翻訳ロボット」や「デジタルサイネージ」が設置された。渋谷を走るバスはBYD製のEVとなり、政府の後押しで、タクシーもEVへと一気に切り替わった。渋谷は、日本一のEVシティとなった。

多くの坂があることから、スマートモビリティの普及も進み、海外旅行者は、スマートモビリティの移動による渋谷観光を楽しんでいる。渋谷スクランブル交差点での、スマートモビリティの交差は、新しい日本の文化である。

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会社に着くころには、「Adobe AI」によるバナー量産は終わっていた。プロジェクトルームに入り、MacBook Xを立ち上げ、リサーチウォールを眺めながら、渋谷区の住民サービスのアプリの提案書づくりに取りかかった。

住民アプリは、子ども〜お年寄りまで利用するが、子どものインタビューとお年寄りのインタビューが、深掘れていない。そこで、VRゴーグルを被って追体験することにした。普段より、低い目線で子どもの気持ちになりながら、普段より、遅い動作でお年寄りの気持ちに寄り添う。

この数年で、新卒デザイナーの就職先人気ランキングも一変し、スタートアップのデザイナーから、政府機関のデザイナーへと移った。中でも、財務省の人気はダントツだ。
財務省に勤務するデザイナーは、ビッグデータを見ながら、人工知能と対話し、どのように税金を分配するべきかを、一緒に役人と考えたり、税金の使われ方と、その費用対効果を視覚化したりするそうだ。

オリンピック以降、日本に滞在する海外のデザイナーは増えた。その一方で、日本人デザイナーは、海外に出ていき、活躍の場を広げている。

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