DSCL METHOD CARDS 「TEAMWORK -親密関係-」 #03
Cf. 6C MODEL:DESIGN SCHOOL KOLDING, 2014
WHAT:このメソッドは何?
「TEAMWORK -親密関係-」とは、遠慮なく素直な意見を交換できる関係性をつくることです。お互いに対等な関係は、コミュニケーションのコストを下げ、生産性を高めます。
WHY:何のために?
・本音で語ることで、強い意思疎通をするため
HOW:どうやるの?
1:ニックネームで呼び合う
2:ご飯を一緒に食べ、談話する
参照文献
'Knowledge & Expertise Map' is based on Susanne Justesen's work with 'knowledge domains', 2015.
The need to 'carve out' a physical space for creativity is addressed by Ned Herrmann, 1989, and Tom Kelley, 2001
解説
「TEAMWORK -親密関係-」は、プロジェクトを成功に導くためにもっとも大切なことであり、その重要性は様々なところで議論され、各種メディアで述べられています。ここでは、誰でも簡単に実行できる2つの方法を紹介します。
1:ニックネームで呼び合う
まず、最初にプロジェクトが開始されたらプロジェクトメンバー全員に「ニックネーム(あだ名)」をつけましょう。特にクライアントワークにおいては、発注者と受注者の構造から、どうしても受注者の立場が弱く、御用聞きになる可能性があり、対等な関係で健全な議論を妨げることが多くあります。そこで、プロジェクトが開始されたらキックオフのアイスブレイクの一貫として「ニックネーム」をつけることで、少しでもこの関係性を緩和させます。
年配の方など、ニックネームで呼ばれる、つけられることを躊躇される方もいるとは思いますが、その場合は、「少しでもプロジェクトの成功を高めたいので、是非やりましょう!」と伝え、押し切ってください。そして、ニックネームが決まったら、覚えるまでは、必ずネームカード(養生テープで代用可能)をつかい、常に目立つようにしましょう。この「ニックネーム」効果は、プロジェクトの後半で、本質的議論を腹を割ってしなければ、いけないフェーズで効果を発揮します。ニックネームで呼び合い、親密関係になっていく体験は、みなさんが幼少期に必ず体験していると思います。
2:ご飯を一緒に食べ、談話する
プロジェクトが開始されましたら、積極的にご飯を一緒に食べに行きましょう。人は、同じ空間で同じ体験をすることで、目に見えないものを分かち合い、一体感を増す傾向があります。僕が在外研究したデンマークでは、Hygge文化の流れからか、プロジェクト中にランチとティータイムを必ずといっていいほど、みんなでとりました。そして、少しリラックスした雰囲気で、少しだけ聞きづらかったことを話したり、相手の不安だったところを聞いたり、プライベートのことを話し合ったりする。大事なことは「個人的な関係をつくる」ことです。
例えば、常駐プロジェクトであれば、午前中に何か議論した後、ランチに行き「実際はどう思っています?」と切り出すと、午前中の議論では出てこなかったような意見を聞けたりします。キックオフディナーも親密性を高めるために効果がありますが、お酒が飲めない人がいたり、時短勤務の方がいる場合もあります。そのような状況では、ちょっとリッチなランチを用意し、特別感を出したりすることで代用することもできます。
プロジェクトが終了時に打ち上げをする文化はありますが、プロジェクトが終わってから、親密性を高めても「遅い」です。プロジェクトの初期段階でどれだけ親密性を高められるか。それがプロジェクトの成功のカギとなります。
このように、親密性を高めることで、レベル2の関係性(cf. エドガーシャイン)を目指します。
・レベルマイナス1:ネガティブな関係
・レベル1:取引上の、お役所的な、ほどほどの距離を保った関係
・レベル2:個人的な関係
・レベル3親密さ、愛着、友情、恋愛感情
『謙虚なコンサルティング ― クライアントにとって「本当の支援」とは何か』 エドガー・H・シャイン
参考事例
DSCL METHOD CARDSについて
DSCL METHOD CARDSは「デザインおばけ」が解説する、誰もがデザインの力を使えるようになることを目指したメソッドカードです。メソッドを読んで学ぶのではなく、絵で見て楽しんで、その意図を掴む。その見立ての役割として「デザインおばけ」が存在します。
DSCL METHOD CARDSは、何をするべきか(Doing)を1コマで描き、直感的に伝えます。「私でもできるかも」と感じ、「やってみたい」から出発する、デザインの道しるべです。
イラスト:大竹沙織
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文章:平野友規
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企画・制作:株式会社デスケル
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