良いコピーを選ぶということ。

さて、さて、さて。
とうとう始まってしまった、

脳汗ダラダラ、熱中症危機の色濃く残った4ヶ月の学び。

ただ、あまりにも詳細に書いちゃうと、
受講する意味なくなって受講者数減っちゃった、みたいなクレームが
ないこともないので、自分の中で特に変化した事と、思い出を書いちゃおう。

あ、
ちなみに、特に谷山先生の授業は絶賛販売している、

広告コピーってこう書くんだ!読本
広告コピーってこう書くんだ!相談室
で7割 構成されているからこれで十分なのです。座学については。

このクラスの一番の価値は、書いていった自分のコピーを、
他の生徒の前でぶった斬られ、恥をかき、時に褒められドヤ顔になる
ところにある。

なんでこのコピーがダメでこれがいいのか、
他の生徒のコピーを見ながら「こんな切り口があったのか」と学んだり。

やっぱり、本を読んで技術を身につけたつもりになっていても、
実際書くと全然違う。
付けたい力を付けるには、書くしかない。

脱線してしまったけど、
広告コピーを書く際に一番口うるさく言われていたのは、
コピーは描写じゃなく、課題解決
ということだった。

具体的に言うと、ちょっぴり恥ずかしい自分のコピーを元に。

初めての谷山クラスの授業。講師は谷山さん。
出されていた課題は「明治神宮スケート場に行きたくなるコピー30本」。
30本に見ていなかったら点数は自動的に0点で評価もされないというオマケつき。

自分のコピーの中で最もいいと思った一案をまずみんなの前でプレゼン。

今回座席は前の方で、成績も上位だったのでルンルンした気持ちでプレゼンに臨めた。

人生2度目のコピーを書いた僕は、
「こけられない世の中で、豪快にこけられるのはスケートぐらいだ。」
というコピーをみんなの前で発表した。

するとこれが谷山さんの怒りスイッチを押した。
「君が書いてきたこのコピーは『書き手の喜びであって、受け手の喜びでは
全くない』と。貴様はよくも最低なコピーを選んできやがって、みたいな雰囲気が教室に広がる。

その後谷山さんが選んでくれた僕の良いコピーは、
「こけても汚れません。」
「あわよく場」
「氷の先に何があって、人は氷を滑ったのだろう。」
だった。

コピーは描写ではなく、課題解決。
少なくても上の2つにはそれが確かにある。

こけても汚れないというのは子を持つ親にとってはメリットだし、
あわよくば、好きな子と手を繋げるかもしれないスケート場はデートの
オススメスポットという価値を提示出来ている。

3つ目は課題解決にはなっていないが、
そもそもスケートがなぜできたのかという視点の変なところと、
考え方が変わっているところを評価された。

他の生徒の中では「室温は18℃です」とかも評価されていた。
夏に涼む時にすごく刺さりそうだから。
こんな感じで、当たり前かもしれないが、課題を解決していないコピーは
機能しないゴミクズなコピーなのだと強く教えられた。

※悪口とかではないが、WEBバナーのコピーなんかはもう最低で、あのあたりをしっかり書けるコピーライターがいないとバナーはずっと低レベルな広告としての地位を抜け出せないと思う。

この授業で学んだもう一つの大切なことは、
「コピーを選べない」ということだ。
確かにアイデアを考えるのは難しい。
ある程度のセンスがあれば企画を考えたりコピーを出したりは出来る。

だけど、自分の書いたコピーの中でどれがいいのか。というのを選ぶのは
実はものすごい難しい作業だったりする。

毎回のコピーで5本評価されるものがあるとして、
僕が16回の授業で自分の選んだコピーと、先生が選んだコピーが一致したことはほとんどなかった。

もともと、学生時代、博報堂のインターンに行っていた時ぐらいから企画アイデアをそこそこのレベルで出すことは出来ていたが、選ぶ作業が難しいというのは感じていた。コピーも同じ。

※もちろん強い強いアイデアを出す力ももっと磨いていかないとダメなことは自覚済み・・・・

そういえば、谷山さんが「コピーライターに向いている人はどんな人か」という質問に対してこう答えられていた。

「変で素直なやつ」
「変で素直」⇨「変で頑固」⇨「普通で素直」⇨「普通で頑固」
の順で向き不向きが決まるらしい。

変→他の人と違う事を考えられる人
素直→他の人の気持ちがわかる人

あ、これに通じるなと思った。

他の人と違う視点でコピーを書ける人が『変』
そして他の人が共感するコピーを選べる人が『素直』
だということじゃないかと。

初めから変で素直なやつはほとんどいなくて、
良いコピーライターになるやつは「変で頑固なやつ」が多いそうだが、
「良いコピーを選ぶのは難しい」ということにつながる。

たぶん、コピーを、アイデアを書き、そして優秀なクリエイターから選んでもらうことを繰り返して、「あぁこのコピーだったら人に共感されるんだ」「このアイデアなら人が動くんだ」とかを学びながら「頑固」が「素直」に変わっていくんだ。

そんなことを学び、

宣伝会議賞に向けてコピーを書きまくる10月の秋夜。

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