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世は移ろいゆくもの
子供の頃から通っていた近所の病院が、解体されている。
職業病だろうか、長く自分が知っている建物の解体現場って
心が締めつけられるように苦しくて、悲しい。
その病院のとても優しい院長先生には、お世継ぎがいなかった。
先生の高齢化もあって、きっと廃業したのだと思う。
もしかしたら、コロナが廃業の引き金のひとつになったのかもしれない。
とても洒落たタイル貼りの医院が、毎日、少しづつ小さくなっていく。
働き者の看護師の奥様が、毎朝、私の出勤時間帯に犬の散歩に出かけていた。
夜になると、2階の部屋にあるアッキーレ&カスティリオーニのアルコランプが
レース越しに見え、お医者様の家って素敵なんだろうな、と思っていた。
日常の中に、当たり前に存在していた建物がなくなっていく。
あ、時が流れたんだ、と思った。
そして、バス越しにみていた、ファミリーレストランが潰れて解体された。
明らかに、コロナが原因だ。
いつもの風景が、静かに変わっていった。
変わりたいと思っていなくても、
時代はどんどん流れ、時は過ぎてゆく。
知らず、知らず。
時の流れには、逆らえないんだよ。