9.11シカゴ空港で交わされたJALとANAの絆
運動会の赤組と白組は、お互いを応援しあう。まるでJALとANA。
先日の子どもの運動会、大きな声を出して、小6息子は赤組の応援団としてがんばりました。各応援団は、まず自分のチームを鼓舞します。そして、最後には赤組と白組は向かい合い、交互にお互いを応援しあいます。
「赤組、絶対優勝するぞー!でも、白組も全力を出してがんばってくれ!」という応援。すごくスキです。毎年感動します。
私、以前18年ほどANAに勤めていて、若い頃はよく合コンで「JALとANAって仲悪いの?」って聞かれました(笑)ニュースとしては、常に比較されるJALとANAですが、仲がよいというより、心が繋がっていると感じることが何回もありました。
たとえば、NYで同時多発テロが起こり、アメリカの主要都市の空港は1週間以上閉鎖。次は民間機が狙われる可能性もあるといわれていました。CREWはアメリカで足止め。私はシカゴにいました。SEARSタワーへの危険も予想されていたとかで、シカゴ滞在中のCREWは外出禁止、帰国便もストップ。
1週間後に空港再開。多くの航空会社が足止めをしていた中、シカゴから最初に離陸するのがANA、私が乗る飛行機でした。お客さまは不安な思いをされているに違いない、辛い思いを抱えて乗る方もいる、だからCREWは安心を感じていただけることだけを考えて乗務しようと打ち合わせしました。
でも、本当はCREWも怖かったです。最初に離陸するフライトになったことが、私たちの恐怖に拍車をかけました。そのきもちを一番理解していたのが、離陸前に空港ですれ違ったJALのCREWです。離れていて、言葉は交わせないけれど、CREW同士、お互いの存在にはすぐに気づきました。その時、JALのパイロットはANAのパイロットへ、JALのCAはANAのCAに向かって、ゆっくり頷き、「大丈夫、ちゃんと飛べる」と目で私たちに伝えてくれました。
JALもANAも、お客さまから一番に評価されたいと普段から競っています。でも、それは、お互いが安全という同じ土俵に立ち、戦う準備ができているからです。健全に、元気に、共に競おう。そういう関係です。
赤組と白組の応援合戦を見た昨日、シカゴのJAL CREWを思い出しました。