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初めての方に読んでほしい「飛鸞の教科書」

「飛鸞(ひらん)」は、長崎県平戸市にある「森酒造場」が醸す日本酒の銘柄。

平戸の地域性と伝統的な酒造りの技術を融合させ、我々にしかつくることが出来ない唯一無二の美酒を追求しています。

本記事では、改めての自己紹介ということで、飛鸞を初めて知る・飲む方に、飛鸞をより知っていただくための内容になります。

飛鸞のコンセプトとは?味わいや製法の特徴は?飛鸞の定番のお酒は?創業ストーリーについてなど、飛鸞の概要に触れられる記事にできればと思います。



平戸に賑わいをもたらす

飛鸞を醸す森酒造場 / 撮影・編集 カワナアキ

飛鸞は「平戸に賑わいをもたらす」というミッションのもと、酒造りを行っています。

我々が日々暮らす長崎県平戸市は、美しい自然・様々な食材・豊かな歴史文化が息づく場所ですが、昨今、少子高齢化や人口減少により地域の活力が低下しているのが現状です。

美しい自然・文化がある一方で、年々、人口減少・少子高齢化が進む平戸

このままで、平戸に未来はあるのか?

飛鸞は、平戸で栽培された米、平戸に纏わる商品ストーリー、伝統的な製法にこだわることで、地域の魅力を再発見し、多くの人々に平戸の素晴らしさを伝えることを目指しています。

長崎県平戸市については下記をチェック👇

飛鸞を通じて、平戸に活気を生み出し、地元の人々と訪れる人々が一体となって楽しむことができるような、そんな未来をつくっていきたいと思います。

酸と苦の融合による独自の味わい

では、飛鸞はどのような味わいの日本酒なのでしょうか?

我々は「杯がどんどん進んでしまう」酒質を目指し、味わいの軽快さと飲みごたえを両立する味わいを追求しております。

基本的な甘みをベースに、適度な酸味と苦味がバランスよく調和する酒質設計が特徴です。

軽快かつジューシーな味わいが特徴的な飛鸞

例えるなら、洋梨、マスカット、グレープフルーツのような、単に甘いだけではなく、爽やかさが備わった軽快でジューシーな味わいをイメージしながら味わいを設計しております。

また、アルコール度数は13%前後と他の日本酒と比べ、比較的低いですが、程よい旨味とコクを感じることができるので、飲み口が軽すぎず、しっかりとした飲みごたえを感じることが出来ます。

初めての飛鸞 3種類

ここでは、初めての方に味わっていただきたい「飛鸞 3種類」をご案内させていただきたいと思います。

にこまる

飛鸞の最も定番な作品

まず一つ目は「にこまる」です。この作品は飛鸞の最も定番な作品になっており、通年で販売できるように努めて醸造しております。

商品名の通り「にこまる」というお米を用いて醸造している作品で、洋梨のようなジューシーさと後味の程よい苦・酸味が、後味の甘みを綺麗にマスキングしてくれます。

飛鸞を飲まれたことがない方は、まず最初にこの「にこまる」を味わっていただきたいです。

神楽

グレープフルーツのような爽やかさが特徴的な神楽

次に「神楽」です。この作品は通年商品ではないのですが、にこまるの次にお目にかかる機会が多い作品で、にこまるとは異なるよりフレッシュな味わいがお楽しみいただけます。

白麹という酸味を多く生成する原材料を用いているため、口に含むとグレープフルーツのようの爽やかさがお楽しみいただけます。また冬場に登場する「神楽」は微発砲のため程良いガス感をお楽しみいただけます。

年に2回ほど登場する作品ですので、ぜひ神楽もお目にした際は味わっていただきたい作品になっております。

毎月発売される限定飛鸞

そして、最後にご紹介するのが、毎月限定販売される特殊な飛鸞です。

実は飛鸞、毎月必ず一種類以上の作品を限定販売しており、今月6月は「飛鸞 Reborn」、先月5月は「飛鸞 Heaven」と定番ラインナップに加えて、様々な味わいの飛鸞をリリースしております。

ぜひ、その月限りで販売されている限定作品をお手に取っていただき、飛鸞が表現する多様な味わいに触れていただくと、よりお楽しみいただけるかと思います。

ぜひお近くの飛鸞 販売店に足を運んでみてはいかがでしょうか?

飛鸞販売店のご案内や最新情報のお知らせは「飛鸞 公式LINE」をご確認ください👇

平戸の米と微生物で魅せるテロワール

飛鸞の醸造において、特にこだわりを追求しているのが「平戸の地域性」を酒質にいかに反映できるか。

平戸は海・山に囲まれる / 撮影・編集 カワナアキ

その一環として、飛鸞では長崎県平戸市で栽培された「にこまる」というお米を多く用いて酒造りをします。

この米は、長崎県で大変多く栽培されているお米です。他と異なるのはこのお米は酒造りで用いられる「酒米」ではなく、食卓で食べられる「食用米」ということ。

飛鸞の多くは平戸産の「にこまる」でつくられる

残念ながら、長崎県には独自の酒米品種が存在しないため、地域の独自性を追求することが困難です。そのため、我々は長崎県の食用米である「にこまる」を活かした酒造りを追求することで、地域性を強化することを目指しました。

また、飛鸞の多くは「生酛づくり」という製法を採用しております。

「生酛づくり」とは、江戸時代から伝わる製法で、大気中の微生物を生かした酒造りを実現できるため、地域性が酒質に反映されやすいと言われております。

伝統製法により平戸の地域性を表現する / 撮影・編集 カワナアキ

この原料と製法により、平戸のテロワールを最大限表現した味わいに仕上げているのが飛鸞です。

飛鸞の創業ストーリー

創業当初

長崎県平戸市は、日本で最初に海外貿易の拠点として栄えた港町。

古くから国際的な貿易拠点として栄えた平戸

約400年前には、ポルトガル、オランダ、イギリスなどの商館が立ち並び、国際的な交流が盛んな場所でした。このような歴史的背景を持つ平戸の地に、明治28年(1895年)、森幸吉により「小松屋」の屋号で創業されたのが、現在の飛鸞を醸す「森酒造場」です。

創業当初は、清酒「菊の露」と焼酎「仙滴」の銘柄で地元の人々に親しまれていましたが、時代の変遷と共に、メインブランドも「菊の露」から「豊年」へ、さらに現在の「飛鸞(ひらん)」へと移り変わっていきました。

五代目が帰還して今まで

現在の飛鸞は、大変有り難いことに多くの方々に親しまれるようになりましたが、それもここ1, 2年の話で、杜氏(醸造責任者)を務める森 雄太郎(五代目蔵元)が蔵に戻るまで、森酒造場はかなり厳しい経営状況にありました。

現在杜氏を担う五代目蔵元の森雄太郎

幼い頃、前任の杜氏が急逝されてしまい、その頃から森酒造場には技術者がいない状態だったため、酒造りを継続することも段々と難しくなり、修行中の身であった森も、20代中頃にして修行先から平戸に戻ることを強いられました。

五代目が平戸に戻ってきた当時、森酒造場は地元消費用の小規模な酒造りが主で、蔵の清掃があまり行き届かず、建物も設備も老朽化が進んでいて、暗い雰囲気が漂っていました。

五代目が蔵に戻った当初、かなり厳しい状況だった森酒造場

「"これから本当にやっていけるのか"という絶望を感じた」と、五代目は当時の状況を振り返ります。

マイナスからのスタートで、現在の「飛鸞」は誕生しました。

そこから6年以上が経過し、地道に技術を磨き上げ、設備投資を行い、デザインにこだわり、より良い作品を追求し続けた結果、お取り扱いいただく酒販店様は60店舗以上に増え、現在では多くの方々にお楽しみいただけるようになりつつあります。

大盛況で終わった2024年の酒蔵直営イベント

私たちの理想からはまだまだ遠い状況ですが、当時と比べると着実に前に進むことができている実感しております。

これからも飛鸞を通じて平戸に賑わいをもたらし、より多くの方々に感動をお届けするために頑張りますので、ぜひ今後とも飛鸞をお楽しみいただけますと幸いです。

飛鸞の販売店のご案内・最新情報のお知らせは公式LINEから👇

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